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Concurと駅すぱあととSansanが連携、訪問先をスケジューラーに登録すれば、あとは交通費の清算まで自動処理

(左から)株式会社ヴァル研究所代表取締役の太田信夫氏、株式会社コンカー代表取締役社長の三村真宗氏、Concur Technologies CEO/SAP Executive Boardのスティーブ・シン氏、Sansan株式会社取締役の富岡圭氏。7日に都内で行われた記者発表会で

 株式会社コンカーは7日、同社が提供するクラウド型経費管理サービス「Concur Expense」と、株式会社ヴァル研究所の経路検索サービス「駅すぱあと」および同サービスのスケジューラー連携ツール「RODEM」、Sansan株式会社のクラウド型名詞管理サービス「Sansan」との連携を発表した。

 「Google カレンダー」「Office 365 Outlook 予定表」などのクラウド型スケジューラーに訪問先の社名などを入力すると、RODEMがこれを認識。最寄り駅などを判定し、予定時刻にそこに到着するのに最適な乗換経路を駅すぱあとで検索するとともに、移動にかかる時間もスケジューラーに自動で登録してくれる。あわせて、Concur Expenseで交通費の申請・清算が自動的に行われ、その際、通勤定期の区間を除外するといった処理も自動で行われる。

クラウド型スケジューラーサービスと「Concur Expense」「駅すぱあと」「RODEM」「Sansan」の連携イメージ

 訪問先は、名称を[]でくくって入力することでRODEMに認識され、国税庁の「法人番号データベース」の登録情報を参照して住所を割り出す仕組みだが、Sansanとも連携したことで、さらに細かい判定を実現。Sansanに登録されている名刺データを参照し、訪問先企業の担当者の個人名でも認識される。例えば、同じ企業でも複数支社があるような場合、担当者の個人名を入力すれば、その人のいる支社を自動で判定し、住所および最寄り駅を適切に判定する。

 3社の連携サービスでは、RODEMはまずSansanの登録情報を検索し、該当する訪問先がない場合に法人番号データベースを参照する流れ(いずれも該当する訪問先が見つからない場合は、エラーメッセージが出る)。そのため、RODEMと経費精算システムの連携だけでも機能はするが、これにSansanを加えた3社の連携サービスが一番強力になるのではないかとしている。

出発時刻や経路、運賃などの移動予定が自動登録される。複数の訪問先をハシゴする場合や自宅からの直行・直帰などにも対応。リスケジュールなどにより訪問日時を移動した場合は、移動予定もそれに追従して移動する。
スケジューラーに移動予定として自動登録された情報。自社から最寄り駅までの徒歩時間、途中の乗換駅や列車の発着時刻、訪問先の最寄り駅から訪問先までの徒歩時間などの情報が記載されている。この移動予定をリマインダーで通知するよう設定しておけば、何時に出発すれば間に合うか、どの駅で乗り換えるのかなど、当日になって経路を再検索する作業も省ける
「RODEM」デモ動画(Google カレンダー版)
2つの訪問先がある場合の作業ステップの比較

 コンカーの試算によると、経費精算にかかる時間は従業員1人あたり1カ月に48分。生涯時間(23~65歳勤務)にすると51.6日となり、その分の人件費は143万8918円に上る。また、1カ月の精算額が10万円以上になる従業員(全体の26%)で算出すると、1カ月あたり93分、生涯時間は100日、人件費は278万8600円に上るとしている。

 一方、経費精算の処理量における割合は、鉄道・バス運賃などの近隣交通費が51%、それ以外の接待や出張などが49%であることが、コンカーの国内利用企業における経費精算実績から分かっているという。

 コンカーでは、今回の3社の連携サービスについて、経費精算処理の半分を占める近隣交通費の精算を全自動化することで、従業員の生産性を大幅に向上するものだとしている。

 連携サービスは10月に提供開始。すでにConcurとSansanを利用している企業であれば、追加で必要となる費用はRODEMの利用料金のみ。RODEMの利用料金は現在調整中だが、Concurの利用企業向けに3カ月の無料キャンペーンを実施する予定だ。