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新たな国家資格「情報処理安全確保支援士」の試験を2017年4月より実施

サイバーセキュリティ基本法と情報処理促進法の改正受け

 経済産業省は14日、「サイバーセキュリティ基本法」および「情報処理の促進に関する法律(情報処理促進法)」の一部を改正し、21日より施行することを発表した。あわせて「情報処理安全確保支援士(以下、支援士)」を新設し、2017年4月より試験を実施する。受験手数料は5700円。

 支援士は、サイバーセキュリティ基本法が規定するサイバーセキュリティ確保のための事業者や利用者による取り組みに対し、必要な情報の提供や助言を行ってサイバーセキュリティの確保を支援する国家資格として、情報処理促進法の第6~28条で規定されている。取り組みの実施状況についての調査・分析・評価や、その結果に基づいた指導なども行う。

 経済産業省では同支援士制度の創設について、すでに4月に発表済み。情報処理を推進する国家資格と位置付けている。

 試験の実施を担当する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が6月に発表している資料によれば、支援士試験の内容は「情報処理技術者試験」の「情報セキュリティスペシャリスト(SC)試験」をベースとしたものになり、合格者は支援士の有資格者となる。現在実施されているSC試験は2016年10月期の実施をもって終了する。なお、支援士の有資格者は、SC試験の前身である「情報セキュリティアドミニストレータ試験」、「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」の合格者も含まれる。

 有資格者は、一般に公開される支援士登録簿への登録が可能になる(手数料1万700円)ほか、情報処理安全確保支援士の名称を独占使用できる。支援士の資格は、一定期間が経過するごとに講習を受講することで更新できる。登録事項の変更手数料は900円となる。そのほかの詳細は10月24日にIPAより公表される予定。

 なお、情報セキュリティ担当者向けの資格である「情報セキュリティマネジメント試験」は、引き続き情報処理技術者試験として実施される。

 経済産業省ではサイバーセキュリティ基本法の改定について、近年サイバー攻撃が増加・巧妙化傾向にあり、社会全体のサイバーセキュリティ強化へ向け、政府機関が中心となって人材の確保・育成や情報共有などの基盤整備を推進することが急務としている。

 サイバーセキュリティ基本法改定の内容は、第13条で国が行う不正な通信の監視、監査、原因究明調査などの対象範囲を拡大することを規定した上で、第30条でサイバーセキュリティ戦略本部の一部事務をIPAなどに委託できるようにしている。情報処理促進法ではこれを受け、第43条で、サイバーセキュリティ戦略本部から委託を受けるIPAの業務や、現在でもIPAが行っているソフトウェア脆弱性情報の公表の方法や手続きが整備されている。

 なお、改正されたサイバーセキュリティ基本法では、日本年金機構など9の法人について、政府機関情報セキュリティ横断監視・即応調整チーム(GSOC)による監視対象とすることも、あわせて規定されている。