ニュース
Office互換ソフト「KINGSOFT Office」、日本進出10周年を機に「WPS Office」として展開へ
2016年11月15日 19:14
キングソフト株式会社は15日、総合オフィスソフト「KINGSOFT Office」シリーズの日本市場進出10周年を記念し、新たに「WPS Office」として製品を展開すると発表した。
WPS Officeは、ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Spreadsheets」、プレゼンテーションソフト「Presentation」の3つから構成。「Micosoft Office 2007」以降のファイル形式(.docx、xlsx、pptx)で作成した文書の読み込み、編集、保存に対応している。今回のアップデートにより、モバイルアプリの機能を強化するとともに、モトヤ、モリサワ、SCREEN GPなどの収録書体を増やした。
モバイルアプリはプレゼンテーション向けに3つの機能を用意。スライドショーを複数の端末で同時に再生する「再生共有機能」、スライドショーと音声を動画に記録する「講演記録機能」、ファイルを直接アプリと共有可能な「ファイル転送機能」を備える。また、クラウドサービス「Dropbox」「Google Drive」「One Drive」との連携に対応した。
料金プランは、永続版とサブスクリプション版をラインアップ。各エディションでは主に収録される書体数に違いがある。
一般ユーザー向けとして展開する永続版の価格(税込)は、11書体収録の「Standard Edition」が5880円、28書体収録でVBAマクロ対応の「Gold Edition」が7380円、46書体収録でVBAマクロ対応の「Platinum Edition」が9880円、40書体収録の「Premium Presentation Edition」が3880円(搭載アプリはPresentationのみ)。1つのライセンスでPC(Windows 10/8.1/7)、iOS、Androidで利用できる「マルチライセンス」となっており、無償の電話/メールサポートも受けることができる。
そのほか、法人・一般ユーザー向けのサブスクリプション版も用意。法人向けの「Professional」は46書体収録、有償保守サービス付きで価格(税込)は年額4400円。「Professional Lite」は46書体収録、電話/メールでのサポートを受けることが可能で、価格は月額400円から。両製品ともVBAマクロ機能に対応する。
一般ユーザー向けの「Standard」は代理店での販売に限定される。永続版と同様の機能を備えており、価格はパートナー企業により異なる。スマートフォン版の「WPS Office for Android/for iOS」もラインアップしており、価格は月額350/年額3500円。
なお、既存のKINGSOFT OfficeユーザーのWPS Officeへの移行については、12月以降を予定。新たに購入する必要なく利用できるとしている。
独自のクラウドサービスなどを備えた「WPS+」も近々公開
中国ではすでに提供済みとなる「WPS+」を日本でも展開する予定だという。主にモバイルアプリ、共同編集・共有サービス、文書作成の3つの機能をそろえており、同社独自のクラウドサービス「WPS Drive」と連携する。現在、日本のユーザー向けの機能調整を行っているため、詳細は後日改めて発表するそうだ。
企業向け製品に統合される「クラウド共有」機能では、グループで共有するデータのセキュリティを保つことができる。例えば、グループを抜けたメンバーはローカルにダウンロードしたファイルの閲覧ができなくなったり、文書へのアクセスがサーバーに記録される。
文書作成機能の1つでもある「Docer」では、あらかじめ用意されたテンプレートをダウンロードしてスライドを作成できる。中国では数百名のクリエイターが素材を提供しており、月間の売り上げは数百万元に上るという。
モバイルアプリでは、スマートフォンで閲覧することを前提としたスライドをPCで作成する「WPS H5 Maker」、文書最適化ツール「WPS写得」などをラインアップ。モバイル版ユーザーの90%以上が文書閲覧に利用していることを受けて実装された機能になるという。
Kingsoft Office Software CTOの章慶元氏は「近い将来、WPS+がより多くのオフィスシーンでその価値を発揮することを目指す。特にPC、モバイル両方をカバーすることが望ましい。日本は、WPSが世界に向かう上での出発点になる」と意気込みを語った。