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カスペルスキーの語る「知っておくべきランサムウェア」まとめ

 カスペルスキー株式会社は24日、日本語の公式ブログを更新し、ランサムウェアについて知っておくべき事柄をQ&A形式でまとめたエントリーを公開した。

 ランサムウェアは、感染PCの画面をロックしたり、ファイルを暗号化し、復旧を条件に身代金を要求するマルウェア。要求する身代金には30ドル程度から数万ドルまで幅があり、特に企業が標的にされた場合には高額になる傾向がある。身代金は、所有者の追跡が難しいビットコインなどでの支払いが要求される場合が多い。

 同社の調査によれば、身代金を要求された人のうち約3分の1が支払いを行っているが、ファイルを取り戻せた人はそのうち約80%、全体の26%程度しかいない。Kaspersky Labコンシューマービジネス責任者のアンドレイ・モコラ氏は別のブログエントリーで、「ランサムウェアの被害に遭ったのが大規模な組織でも一個人でも、当社はすべての方々に対して、要求された身代金を支払わないように呼び掛けている。身代金を支払えば、サイバー犯罪者のビジネスを支援することになる。また、当社の調査から分かるように、身代金を支払っても、暗号化されたデータへのアクセスを取り戻すことができるという保証はない」と述べている。

 カスペルスキーや米Intel Securityが参加しているランサムウェア対策プロジェクト「No More Ransom」では、ランサムウェア「Shade」の復号ツールなどが公開されているが、ランサムウェアに暗号化されたファイルは、一般的には復号は難しいとされている。カスペルスキーでは、定期的なファイルバックアップや、ウイルス対策ソフトの利用を推奨している。

 このほかブログでは、ランサムウェアの種類や感染経路、危険性の高いファイルの種類、Windows PC以外にMacやスマートフォンが対象となること、感染が疑われる場合の対処の仕方などがまとめられている。

 そしてブログには、「この記事を最後まで読むと、身代金の平均額である300ドル相当の節約になるかもしれません」と記されている。

【お詫びと訂正 11月25日 13:25】
 記事初出時、ファイルを取り戻せた人の割合について、「全体の7%」と表記していましたが、事実誤認がありましたので修正いたしました。お詫びして訂正いたします。