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国内FTTH加入件数は2868.8万件、NTT東西のシェアは68.7%、光コラボは691.7万件で全体の24.1%

 株式会社MM総研は6日、2016年度上半期のブロードバンド回線事業者の加入件数調査の結果を発表した。2016年9月末時点のFTTH(光回線サービス)加入件数は2868.8万件。半期の純増では4年ぶりに80万件超となる84.8万件の増となった。伸び率は3.0%。

 MM総研では、この理由として、携帯キャリアを中心とする光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)による新規顧客の獲得が進んだことが寄与したとしている。下半期は純増ペースの鈍化が見込まれるが、2016年度の通期予測では、135万件と前年度を上回る純増数になると予測している。

 FTTH事業者を見ると、NTT東西の契約件数は1970.4万件。全体に占めるシェアは68.7%で、2015年下期から0.5ポイント減。うち光コラボは691.7万件で、FTTH市場全体に占める割合は24.1%。NTT東西の光回線に占める割合は35.1%。フレッツ光からの乗り換えが占める比率は約6割まで下がり、携帯電話キャリアを中心とする販売により、新規開通の比率・件数が上昇している。

 光コラボのシェアでは、NTTドコモが3.2%増の36.6%でトップ。参入事業者は12月1日現在で約500と一定の割合で増加しているが、NTTドコモとソフトバンクの携帯電話2キャリアで約6割超、大手ISPを含む上位10社で約9割超のシェアを占めるなど、大手通信事業者に集中している状況が続いている。

 KDDIグループの契約数は384.4万件。シェアは13.4%で、2015年下期からは0.1ポイント減で、拡大傾向に歯止めがかかった。携帯電話とのセット割引「auスマートバリュー」、3年間の継続利用を条件に月額料金を割り引く「ずっとギガ得プラン」を引き続き提供するほか、ケーブルテレビ事業者向けとなるauひかりの卸サービス「ケーブルプラス光卸」を12月に開始している。

 ケイ・オプティコムは近畿エリアを中心に「eo光」を展開。加入件数は2.5万件増の161.5万件。新規加入から最大1年間の月額料金を2000円割り引く「スーパースタート割」に続き、7月からはVODサービス「eoオンデマンド」を開始したほか、2017年1月からは上下最大10Gbpsの超高速インターネットの試験提供を開始している。

 アルテリア・ネットワークスは、マンション全戸一括加入型サービス「UCOM光 レジデンス」をはじめとした光回線サービス提供事業者では最大手。加入件数は1.1万増の58.9万件、シェアは2.1%。集合住宅向けに、ネットワークカメラや電力一括受電サービス、放送サービスなどを組み合わせ「IoT・スマートマンション」として提案を進めている。

 ISP事業者のFTTH加入件数では、1位OCNのシェアが19.9%と引き続き低下。2位のYahoo! BB(SoftBank光含む)のシェアは0.5ポイント増の12.0%。3位はSo-netは、マルチキャリアでの積極的なチャネル販売と、ドコモ光料金プランのタイプ変更でシェアを9.1%に増加。4位のBIGLOBEのシェアは8.5%となった。

 MM総研では、FTTH、ADSL、CATVを合わせた固定ブロードバンド市場について、ADSLとCATVの減少を上回る規模でFTTHが拡大、2017年3月末までの純増数は前年度を上回る135万件で、全体では2919万件、年間4.8%増と予測している。さらに、2018年には3000万件超、2021年3月末に3196万件に達するとの見通し。ただし、高速モバイル通信の普及拡大やFTTHの世帯普及率上昇に伴い、2016年3月末以降の5年間では成長が鈍化し、年平均で2.8%と見込まれている。

 固定ブロードバンドに占めるFTTHの割合は2018年度中に8割を超え、2021年3月末に82.5%となる見通し。このうち光コラボは、一定の新規需要を取り込んで拡大を続け、2017年度には848万件、FTTH市場の29.1%を占めると予測。2021年度までに1743万件、54.5%と過半数を占めるを予測している。