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国内FTTH加入件数は2784万件、NTT東西のシェアは69.2%、光コラボは469万件で全体の16.8%

 株式会社MM総研は7日、2015年度のブロードバンド回線事業者の加入件数調査の結果を発表した。2016年3月末時点のFTTH(光回線サービス)加入件数は2784万件で、前年度から119.3万件増加した。

 FTTHの成長は引き続き鈍化傾向だが、下期には携帯電話キャリアを中心とした光コラボモデルにより、加入件数の純増を維持した。

 FTTH事業者を見ると、NTT東西の契約件数は1925.9万件で全体に占めるシェアは69.2%。うち光コラボは469.1万件で、FTTH市場全体の16.8%。NTT東西の加入件数のうち24.4%で、前年から1%減だった。

 光コラボ参入事業者は6月1日現在で400近いが、シェアではNTTドコモが33.4%でトップ。NTTドコモとソフトバンクの携帯電話2キャリアで約6割、大手ISPを含む上位10社で約9割のシェアを占め、大手通信事業者に集中している状況にある。

 KDDIグループの契約数は375.0万件で前年度比7.6%増。「auひかり」に加え、携帯電話とのセット割引である「auスマートバリュー」、3年間の継続利用を条件に月額料金を割り引く「ずっとギガ得プラン」により、シェアは13.5%と堅調に拡大している。

 ケイ・オプティコムは近畿エリアを中心に「eo光」を展開。加入件数は159万件。光コラボの開始に伴う一時的な競争緩和と、新規加入から最大1年間の月額料金を2000円割り引く「スーパースタート割」などにより前年度を上回った。

 アルテリア・ネットワークスは、「UCOM光 レジデンス」をはじめとしたマンション全戸一括加入型の光回線サービス提供事業者では最大手。加入件数は57.8万件、シェアは2.1%。個人向け任意加入型の接続事業は3月にU-NEXTへ譲渡し、事業の選択と集中を進めている。

 ISP事業者のFTTH加入件数では、OCNのシェアが低下したものの、2位以下に大差を付けた21.1%で首位を維持。2位のYahoo! BB(SoftBank光含む)はシェア11.5%。スマートフォンと「SoftBank光」によるセット販売により加入件数が前年度比で18.0%伸び、シェアは1.3ポイント増となった。

 3位はSo-netがマルチキャリアでの積極的なチャネル販売を進め、契約者が純増、シェアを8.9%へと伸ばした。4位のBIGLOBEは下期に純増ペースを伸ばし、シェアを8.6%に拡大した。

 MM総研によると、FTTH、ADSL、CATVを合わせた固定ブロードバンド全体の市場について、ADSLの減少を補ってFTTHが拡大するものの、固定ブロードバンドに占めるFTTHの割合は2018年度中に8割を超え、2021年3月末に83.7%となる見通し。また、FTTHの成長が頭打ちになる2019年には減少に転ずると予測している。

 FTTH市場単体では、2017年度の加入件数は3.4%増の2878万件ながら、純増数は2016年度を下回る94万件と予測。FTTH自体の浸透とLTEなどの高速モバイル通信拡大により、ここ5年間の成長率は年平均1.9%と低く、2019年度は3000万件、2021年度は3056万件の加入者数を予測している。

 中でも光コラボは一定の新規需要を取り込み、2017年度には801万件、FTTH市場の27.8%を占めると予測。2021年度までに1481万件、48.5%への拡大を予測している。