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メールで届いた請求書をそのまま転送するだけでクラウド会計ソフトに取り込まれる機能、freeeで実装

 freee株式会社が提供する「クラウド会計ソフト freee」において、メール転送による証憑登録、「スマートエクセルインポーター」といった新機能が追加された。

 メール転送による証憑登録機能は、10月末に実装されたもの。請求書などの書類をメールの添付ファイルとして受け取った際、専用のメールアドレスにそのまま転送するだけで、ログイン操作を行うことなくfreeeに取り込める。書類のファイルフォーマットは、PDF、Excel、CSVのほか、各種画像ファイル(JPEG/GIF/PNGなど)に対応する。各欄の配置など書類の中身のフォーマットは問わない。

 転送したファイルは、freeeで証憑を管理するための機能「ファイルボックス」にアップロードされる。ファイルボックスはOCR機能を備えており、アップロードされた書類に記載されている文字を認識。取引日や勘定科目、金額などに該当する項目を自動で推測し、取引データとして抽出する仕組みだ。

 ファイルボックスはこれまで、ウェブブラウザーからfreeeにログインしてファイルをアップロードする方法などに対応しており、紙の請求書をスキャンしたファイルや、スマートフォンのカメラで撮影した領収書・レシートなどを取り込むといった活用が可能だった。このほか、freeeのiOS版アプリでは、Gmailの添付ファイルやGoogle ドライブ上の共有ファイルが直接取り込めるようになっている。

 新たにメール転送による取り込みに対応したことで、メールで受け取ることも多い請求書の処理を、iOSのGmailユーザーに限らず広く活用できるようになった。「月末に溜まりがちな請求書処理だが、受け取ったらすぐ転送しておくことで、登録漏れを防ぐことができる」としている。

 ファイルボックスに取り込まれた証憑は、freeeにログインした際に、自動推測・抽出された取引データの各項目が問題ないか確認しながら、ワンクリックで帳簿に登録していくことが可能だ。請求書であれば買掛金を帳簿に登録することになるため、取引先別の買掛レポート機能を利用して支払い管理も確実に行えるとしている。

「ファイルボックス」に取り込まれた証憑の画像と、OCRで自動推測された項目。間違いがないか確認した上で、「登録する」ボタンをクリックすれば帳簿へ登録される

 スマートエクセルインポーターは、11月中旬に実装した機能。仕訳データをExcel形式(XLS/XLSX)のまま、クラウド会計ソフト freeeにインポートできる。Excelで帳簿を付けていたユーザーがfreeeへ乗り換える際、フォーマットをExcel上でfreee用に調整し、その情報をそのままfreeeにアップロードできるとしている。一般的に会計ソフトのデータ入出力はCSV形式で行われるため、freeeでも従来は、過去のデータを入出力するのに帳簿のファイルをCSV形式に変換する必要があったのだという。

 帳簿に限らず中小企業ではさまざまなバックオフィスのデータがExcelに保存されているとし、例えば勤怠管理などのデータも含めてExcelから直接freeeに取り込めるようにするなど、今後も開発を進めていくとしている。