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スマホ動画利用者、無料アプリが3338万人、有料アプリは481万人、若年層ほど高いリーチ

 ニールセンデジタル株式会社は31日、18歳以上のAndroid/iOSユーザー各4000名のアクセスログに基づいたスマートフォン視聴率情報「Nielsen Mobile NetView」による2016年12月の国内における動画アプリの利用状況を発表した。

 無料で動画を視聴できるアプリのうち利用者数で上位の5アプリである「AbemaTV」「GYAO!」「TVer」「YouTube」「ニコニコ動画」のユーザーは、前年同月から23%増の3338万人。リーチは56%だった。

 一方、有料動画アプリ上位5サービスである「Amazonプライムビデオ」「dTV」「Hulu」「Netflix」「U-NEXT」ののユーザーは、同50%増の481万人で、リーチは8%。無料・有料ともにユーザーの増加率は、スマートフォン利用者全体の増加率である14%を上回っていた。

スマートフォン動画アプリの利用者数

 年代別に見ると、無料・有料問わず、若いほどリーチが高い。また、50歳以上でも無料動画は49%に利用されている一方、有料動画のリーチはわずか7%だった。

動画アプリの年代別リーチ

 1人あたりの利用回数は、無料動画は月平均21回で、有料動画の14回と比べ1.5倍。一方で利用時間は、無料動画は1回あたり15分で、有料動画の1回あたり25分よりも10分短い。

1人あたりの月平均利用回数と1回あたりの利用時間

 ニールセンデジタル株式会社シニアアナリストの高木史朗氏は、動画アプリ利用者の増加について「『Netflix』や『AbemaTV』が認知獲得のためにテレビCMを活用し始めたことや、テレビの見逃し配信やオリジナルコンテンツが増加したこと、『AbemaTV』のような新しいサービスが登場したことなど、さまざまな要因が影響していると考えられる」と述べ、今後もコンテンツの増加や環境の整備が進み、動画サービスの利用拡大が見込まれるとしている。

 そして「NHK放送文化研究所による国民生活時間調査で近年テレビ視聴の減少が指摘されている若年層で、動画アプリのリーチが高くなっている」点に注目し、「動画アプリはテレビCMではリーチできない若い世代とコミュニケーションをとるのに適したメディアである」としている。