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“くずし字”の地震史料、みんなで翻刻してみた――京大古地震研のプロジェクトにniconicoも参戦

 株式会社ドワンゴと京都大学古地震研究会は、“くずし字”で記録された古い地震史料の翻刻が行えるウェブアプリケーション「みんなで翻刻」の利用を推進するプロジェクトの開始を発表した。ニコニコ生放送で「京大×niconico【みんなで翻刻してみた】~地震の歴史を発掘せよ~」を3月1日21時より放送する。

 第1回の放送は「【みんなで翻刻してみた】初級編」と題し、地震史料やくずし字、翻刻の基礎についての解説が行われる。番組では、みんなで翻刻の開発者で京都大学大学院文学研究科の橋本雄太氏がMCを、京都大学大学院文学研究科の天野たま氏がアシスタントを務めるほか、京都大学大学院理学研究科教授の中西一郎氏と、京都大学防災研究所助教の加納靖之氏が解説を行う。

 ドワンゴではプロジェクトについて、地震史料の翻刻により、未発見の過去の災害や被害状況を明らかにすることで、地震防災や減災に役立てるとしているほか、将来的には地震年表や地震発生分布地図の作成を目指すという。

 みんなで翻刻は、地震史料に書かれたくずし字の解読を目的に、京大古地震研が開発した市民参加型のウェブアプリケーション。京大古地震研では、みんなで翻刻を1月に公開した際、地震や古文書の研究者だけでなく、くずし字を解読できるユーザーに古い地震史料の翻刻への参加を促し、東京大学地震研究所図書館が所蔵する災害史料のコレクション「石本文庫」の全史料をテキスト化することを目指すとしていた。

 みんなで翻刻アプリには、数多くのくずし字のパターンや、江戸時代の本から収集した熟語約3000パターンを収録。2016年に大阪大学が中心となって開発したくずし字学習支援アプリ「KuLA」と連携する「まなぶ」機能により、くずし字を解読できるほか、SNS機能で写真や文章を投稿し、ほかのユーザーに難しい文字や文章の解読を依頼できる「つながる」機能が利用できる。利用には、Google、Facebook、Twitterのいずれかのアカウントでのログインが必要で、Google ChromeもしくはFirefoxの利用が推奨されている。