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通販の県民性、“書籍ネット通販県”1位は京都……本好き・勉強家でプライドが高いため、こっそり購入?

リアル店舗購入県は滋賀が1位、近江商人のDNA??

ジャドマ通販研究所

 書籍・家電ジャンルの通信販売の利用実態について県民性を調査した結果を、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が23日に発表した。直近1年で通販を利用したことのある20代~60代の1万人(各都道府県200人、人口の多い一部の都道府県は300人ずつ)を対象に、2016年9月にインターネット調査で実施し、「ジャドマ県民通販大調査」の第3弾レポートとしてとりまとめたもの。「ジャドマ通販研究所」のウェブサイトで公開している。

 書籍の購入においてネット通販とリアル店舗のどちらを利用することが多いかたずねた設問(回答者5659人)では、ネット通販派が43.1%(「ほとんどネット通販」の19.0%と「ネット通販が多い」の24.1%の合計)、リアル店舗派が31.5%(「ほとんど実際の店舗」の12.5%と「実際の店舗が多い」の19.0%の合計)だった。「どちらも同じ程度」は21.8%で、「ほとんど購入しない」も3.6%あった。

 都道府県別では、ネット通販派が多かった順に、京都府(57.6%)、宮崎県(56.3%)、秋田県(51.8%)、千葉県(51.1%)、兵庫県(47.8%)となっている。リアル店舗派は、滋賀県(41.4%)、鹿児島県(39.7%)、宮城県(37.3%)、群馬県(37.2%)、広島県(36.9%)の順。

 レポートでは、県民性研究家の矢野新一氏がこの結果について分析。ネット通販派トップの京都について「多くの大学や学術機関を抱える京都は本好きで勉強家が多い地域。また、1000年以上も日本の都でしたから、府民には高いプライドがあります。つまり、勉強していることを周りに言わない、こっそり勉強派が多いのが特徴。さらに、周囲の関西圏の府県同様にお金にはシビアです。ネット通販はわざわざ書店に行かずにこっそり買えて、ポイントもつく。今は、古本もネット通販で買えますから、府民にとって本のネット通販はピッタリなのかもしれません」、リアル店舗派トップの滋賀について「近江商人のDNAを受け継いだ滋賀県民は、隣県の京都同様、勤勉で本好きな県民性。ただ、京都と異なるのは、滋賀県では1970年代から文化行政に注力し、図書館設置率、蔵書数、利用者数、貸出冊数ともに全国トップクラスという点があります。つまり、滋賀県民には、図書館に行く習慣があります。図書館と本屋さんの共通点があるとすれば、探している本以外の本との偶然の出会いがあることが挙げられます。本との偶然の出会いを求めて、本屋さんに行くのかもしれません」と述べている。

 家電ジャンル(回答者4156人)については、ネット通販派が34.9%(「ほとんどネット通販」の12.8%と「ネット通販が多い」の22.1%の合計)、リアル店舗派が36.8%(「ほとんど実際の店舗」の11.5%と「実際の店舗が多い」の25.3%の合計)。「どちらも同じ程度」は26.1%、「ほとんど購入しない」は2.3%だった。

 都道府県別では、ネット通販派が長野県(49.4%)、青森県(45.5%)、福島県(43.5%)、福岡県(42.1%)、福井県・沖縄県(42.0%)の順。リアル店舗派が徳島県(52.3%)、富山県(48.1%)、山形県(47.3%)、群馬県(45.7%)、和歌山県(44.7%)の順。

 矢野氏は、「長野は戦時中、精密機器の工場が疎開してきたこともあって、理数系タイプで家電好きが多い県。また、県の面積が広く、県内にリアル店舗が少ないため、家電はネット通販で購入することを好んでいるのだと考えられます。2位の青森は、日本で一番テレビの視聴時間が長いといわれるテレビ好きの県で、家にいる時間も長いアットホーム派ともいえます。また、青森もリアル店舗が少ない上に、豪雪地帯で冬は交通事情が良くありません。家電を買うなら、出かけなくてもゆっくり家で検討できる、ネット通販の方が合っているのかもしれません」「徳島は全国でも有数の、人口あたりの家電量販店の数が多い県。また、阿波商人のDNAを継承する徳島県民は、『ムダなお金を使いたくない』といつも心がけているため、店員と値切り交渉がしやすいリアル店舗を好むのでしょう」と述べている。