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スマホのネット利用はアプリとブラウザーに2極化~ニールセン調査

1カテゴリー1アプリのみの利用が多い

 ニールセンデジタル株式会社は9日、2016年第4四半期におけるPCとスマートフォンのインターネット視聴率調査「Nielsen NetView」「Nielsen Mobile NetView」のデータをまとめたレポート「Digital Trends 2016」を公開した。スマートフォン利用者は増加を続け、2016年第4四半期には5897万人に達している。

 スマートフォンにおけるインターネット利用は、アプリ利用者が5812万人、ブラウザー利用者が5574万人。アプリで利用するかブラウザーで利用するかは、サービスのカテゴリーごとに2極化が進んでいる。アプリ利用の多いカテゴリーには「オークション・フリマ」「SNS」「無料動画」など。一方、「価格比較」「新聞社系ニュース」「旅行」「グルメ」(78%)の4ジャンルは、ブラウザーがメインに利用されている。

 ニールセンでは、カテゴリーによりアプリではなくブラウザーを中心に利用するユーザーが多いといった動向を把握することで、ユーザーに最適な形で情報を届けることが可能となるとしている。

 アプリを主に利用しているユーザーは、カテゴリーあたり1つのサービスしか利用しない比率が特に高く、同一カテゴリーの複数サービスを利用するために、各サービスに対応する複数のアプリを利用しているユーザーは少ないことが分かる。もっとも、こうした傾向があるカテゴリーのアプリのユーザーは、その比率が高い「新聞社系ニュース」で全体の7%、「旅行」で全体の12%しかいないため、絶対数としては少ないことになる。

 また、アプリの利用状況をブラウザーと比べると、1日あたりの利用時間で4.7倍、利用回数で2.5倍、1セッションあたりの利用時間でも1.8倍となっている。このことからニールセンでは、ブラウザーでは検索流入が多く、同一カテゴリーの複数サービスが使われていると分析している。

 スマートフォンのインターネット利用人口を見ると、全体ではPCを上回り、特に18~34歳では2.6倍にも達している。スマートフォン利用者だけでなく、利用率も増加していることが分かる。ニールセンでは、PCからの利用時間が長いカテゴリーもあるため、そうした場合は今後もPC対応が重要としている。

 ニールセンエグゼクティブアナリストの中村義哉氏は、「数年前までは、その普及スピードや利用者規模に注目が集まっていたが、今は、消費者がさまざまな生活の場面で、スマートフォンをどのように使いこなしているのか、企業がその利用動向をしっかりと理解しなければならないタイミングになったと言える」としている。