ニュース

LINE、小中高生向け情報モラル教材「SNS東京ノート」を都内公立学校の全児童・生徒に配布

 LINE株式会社は、小中高生向けの情報モラル・リテラシー教材「SNS東京ノート」を3月末より都内公立学校の全児童・生徒に配布すると発表した。教材は後日、東京都教育委員会のホームページより閲覧・ダウンロードできるとしている。

 SNS東京ノートは東京都教育委員会と共同開発したもの。インターネットの特性の理解や、人による認識の違い、適切なネットとのかかわり方について当事者意識を持って考えを深められるとしている。

 また、児童・生徒が話し合いを通じて学べる教材であることを重視しており、以前よりLINEが国立大学法人静岡大学教育学部准教授の塩田真吾氏と共同開発し、講演活動などで活用してきた「カード教材」を取り入れた内容になっているという。

 発達段階に即し、小学生(低学年、中学年、高学年)、中学生、高校生向けの教材5種類を用意。学校だけでなく、家庭内でのルールを考える項目も取り込んでおり、家庭内や保護者間での話し合いにも活用できるとしている。

家庭内のルール決めで安全なスマホ利用へ

 LINEでは神奈川県教育委員会および東京都教育委員会の協力のもと、児童・生徒のスマートフォン利用状況の実態把握に向けた「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」を実施している。ネット利用時の問題経験の有無や内容、児童・生徒が持つ安全意識との関係性などを調査範囲としている。

 今回、1回目となるアンケートの中間報告を公開。調査対象は神奈川県の全県立高等学校、全中等教育学校、特別支援学校の一部の生徒6万4031人。調査期間は2016年6~9月。

 LINEを例にとり、「されたとしたら嫌だと感じること」は、「嘘を広められた」が26%、「LINE上で自分の知られたくない情報が流された」が26%、「入っていないグループトーク内で自分の悪口を言われた」が24%。

 一方、「実際に体験したことのある嫌なこと」は、「知らない人から『友達追加』をされた」が27%、「既読無視」が11%、「話の最中にスマートフォンや携帯を触っていた」が10%。

 安全意識とスマートフォン利用のルールの決め方の関係を見たところ、「安全に利用できている」と考えている生徒は、ルールを「家庭内で話し合って決めた」割合が高く、「安全に利用できていない」とした生徒は、「自分で考えて決めた」という割合が高くなっている。

 同調査を通じて把握した課題や内容は、SNS東京ノートの共同開発や今後の情報モラル教育教材の開発、学校や教育機関でのワークショップ授業・講演活動にも反映するとしている。