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ブラタモリでもおなじみの「赤色立体地図」無料ダウンロード提供、日本全国から好きな地域を選択可

甲府

 マップショップ株式会社は、地図ショッピングサイト「MAPSHOP」において、4月5日より「赤色立体地図RRIM10_2016」の無料ダウンロード提供を開始した。個人利用に限られるが、日本地図のエリア一覧から好きな地域を選んでダウンロードできる。

 赤色立体地図とは、地形の立体表現手法の1つ。傾斜量を赤色の彩度で、尾根谷度を明度にして調整する。従来の地形表現手法にあった方向依存性などの欠点を克服し、1枚の画像でさまざまな地形を詳細に立体表現できるため、火山地形・地すべり地形・断層地形の把握、遺跡調査、古墳調査、観光案内用マップ、登山用マップなど多目的に使えるという。NHKの「ブラタモリ」でも地形を解説するのにしばしば用いられており、すでに目にしたことのある人も多いことだろう。

青木ヶ原溶岩の微地形解析(富士火山)で、4種類の地形表現法・画像を比較したもの。地形図(左上)、レーザー等高線図(左下)、オルソ画像(右上)、赤色立体地図(右下) (引用:千葉他(2011)、航空レーザ計測にもとづく青木ヶ原溶岩の微地形解析 富士火山、354)
米国のセントヘレンズ火山で、陰影図(左)と赤色立体地図(右)と比較したもの。普通の陰影図(レーザー計測)では、光源方向と直交する地形が特に強調される一方、光源方向と平行な地形は見えにくくなる。赤色立体地図は方向依存性がなく、すべての方向の地形が同時に観察可能
奈良県・コナベ古墳(2009年12月計測)で、オルソ画像(左)と赤色立体地図(右)を比較。航空レーザー計測と赤色立体地図により、樹木で覆われる前の本来の姿を見ることができるとしている (C)奈良県立橿原考古学研究所・アジア航測

 赤色立体地図は、アジア航測株式会社が製作手法の特許を保有しており、MAPSHOPでダウンロード提供する赤色立体地図も同社がデータ提供元。ダウンロードする際にはアジア航測との使用許諾契約書への同意が必要となる。

 無料ダウンロード提供を開始した「RRIM10_2016」の赤色立体地図は、国土地理院発行の基盤地図情報(標高)10mメッシュから生成したもの。山地を見るのに適しているという。

日光(男体山、燧ヶ岳付近)
仙台(蔵王山付近)

 MAPSHOPではこのほか、「RRIM50」「RRIM5+」の赤色立体地図を有料販売する。RRIM50は、国土地理院発行の数値地図50mメッシュ(標高)から生成したもの。関東や九州など大きなエリアを一度に見るような場合に適しているという。RRIM5+は、10mメッシュのRRIM10_2016と5mメッシュのRRIM5のハイブリッド地図データで、都市部の地形まで確認できるとしている。