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国土地理院、赤青メガネで地形の立体視を楽しめる「アナグリフ」公開

地理院地図

 国土地理院が提供しているウェブ地図サービス「地理院地図」において今春、新たな地図の公開や機能強化・改良がいくつか行われた。今回はその中から、赤青メガネで立体視を楽しめる「アナグリフ」の地図を紹介する。

 左側に青、右側に赤のレンズを搭載した3D用のメガネを使うことにより、地形が立体的に見える。公開されたアナグリフはカラーとグレーの2種類。等高線を読むことなく、直感的に地形の凹凸を把握できる。

アナグリフ(カラー)
アナグリフ(グレー)

 アナグリフのもとになっているデータは、基盤地図情報(数値標高モデル)から作成された「標高タイル(基盤地図情報数値標高モデル)」(2016年1月時点のデータ)。全国的に整備された10mメッシュの数値標高モデルをもとにした「DEM10B」と、測量地区ごとに整備された航空レーザー測量による5mメッシュの数値標高モデルをもとにした「DEM5A」があり、ズームレベルごとに使い分けている。

 なお、アナグリフを見るための赤青メガネはAmazon.co.jpなどの通販サイトで購入可能だが、厚紙とセロハンを使って自作することもできる。

 このほか、3D用メガネ不要の立体的な地図として「陰影起伏図」および「傾斜量図」も公開した。陰影起伏図は、北西の方向から地表面に向かって光を当てて、凹凸のある地表面の北西側が白く、南東側が黒くなるように作成したもの。「傾斜量図」は、地表面の傾きの大きさを白黒の濃淡で表現したもので、白いほど傾斜が緩く、黒いほど急峻になる。

 利用方法は、「地理院地図」左上の「情報」をクリックするとメニューが表示されるので、その中から「アナグリフ・陰影起伏図・傾斜量図」を選択し、いずれかを選ぶと地図にレイヤーが追加される。

陰影起伏図
傾斜量図

片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。