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家中くまなくWi-Fi接続、3台のルーターを置くだけで宅内メッシュを自動構築できる「Deco M5」、TP-Linkが発売
2017年6月13日 12:48
ティーピーリンクジャパン株式会社(TP-Link)は、家中くまなくWi-Fi接続できるメッシュネットワークを容易に構築できるIEEE 802.11ac/a/n/g/b対応の無線LANルーター「Deco M5」を6月22日に発売する。3台セットの市場想定価格は3万3000円(税込)。1台単体では、1万2000円で販売予定。
Deco M5は、3台のルーターを設置して最大420㎡の範囲にWi-Fiの通信環境を提供するメッシュネットワークを構築できる無線LANルーター。1台目のルーターにBluetoothでスマートフォンを接続し、「Deco」アプリで初期設定を行った後に、2台目以降のルーターを接続してメッシュネットワークを構築できる。発売されるのは3台セットとなるが、最大10台までの拡張に対応する。
複数台のルーターで構築したWi-Fi通信環境は、1つのSSIDとして表示され、クライアントがどの帯域を用い、どの無線LANルーターに接続するかは自動的に設定される。ルーター間の接続についても、同社独自の「TP-Link ART」技術により、最適な経路と2.4/5GHz帯の通信が自動的に選択される。
一般的なルーターと中継器を併用した場合には、初期設定で利用周波数を設定した上で、ユーザー自身が接続先を指定する必要があるが、Deco M5では、ユーザーが接続先や設定を意識する必要のない点が最大の特徴となる。本体には、Qualcommクアッドコアを搭載しており、例えば電子レンジの利用で電波状況が変化した際など、常に周囲の状況を監視して無線LAN構成が最適化されるという。最大通信速度は867Mbps(5GHz接続時)または400Mbps(2.4GHz接続時)。
無線LANルーターとしては、1台ごとに4本のアンテナを搭載しており、複数の子機同時接続時にも安定した通信を提供する「MU-MIMO」にも対応する。筐体は円形に近く、頂点部分に装備するLEDは、多色発光によりデバイスの状況を表示する。本体サイズは直径120mm、高さ38mm。本体背面には、WANとLANを自動認識するシェアタイプのギガビット対応有線ポート×2と、給電用のUSB type Cポート×1を装備する。
また、アクセスポイントと接続クライアントの無線周波数環境のチャンネルやビーコン信号の強度、フレームなどの測定情報が規定される「IEEE 802.11k」と、これらの情報を利用してスループットや接続の信頼性などの品質を向上する「IEEE 802.11v」に対応しており、これによるWi-Fiの管理が可能。
製品の保証期間は3年間で、この期間はセキュリティ機能「TP-Link Home Care」を利用できる。TP-Link Home Careは、Trend Microの「SMART Protection Network」を採用したもの。製品にはライセンスとして「3年分、4万円相当が含まれる」(TP-Link)。ネットワーク内機器へのウイルス対策機能、悪意のあるウェブサイトなどへの接続ブロック、侵入防止システム、マルウェア感染機器の隔離といった機能を提供する。これにより、PCやスマートフォンはもちろん、ウイルス対策ソフトをインストールできないIoT機器なども保護できる。
また、ユーザーのプロファイルに応じて、インターネット接続時間や利用時間帯、閲覧コンテンツをフィルタリングできるほか、任意のアプリやウェブサイトの制限をキーワード登録で追加できるペアレンタルコントロール機能も利用できる。各デバイスの接続状況は、「インサイト」の機能により、表示したウェブサイトや滞在時間の履歴を時系列で確認できる。
デバイスごとに通信の優先度を設定できる「QoS」機能も利用でき、カスタムセットでは、ゲームやストリーミング、チャット、ダウンロードなどの各項目を、接続機器の使用目的ごとに優先度を設定できる。
TP-Link Home Careは、TP-Link製無線LANルーター「Archer C5400」「Archer C3150」向けにもファームウェアアップデートで近日提供予定。