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「日本のカード情報が世界最高額で売買」とNordVPNがダークウェブの調査結果を発表。その理由は?

 NordVPNは、ダークウェブ上で売買されている盗難クレジットカード情報について調査した結果を発表した。

 同調査は2025年5月に行われたもので、ダークウェブ上にある盗難クレジットカード情報の売買を行うマーケットプレイスにおける、出品データを分析したもの。調査対象となった盗難カードの情報は合計5万705件。

 調査データの中で、最も件数が多かったのはアメリカのカード情報で、全体の60%以上が同国のものだったという。続いてシンガポールが約11%、スペインが約10%で、上位3カ国で全体の約8割を占めている。

カードの盗難件数上位10カ国

 日本ではカード情報の盗難被害の件数は少ない一方で、盗難クレジットカード情報は平均約23ドル(約3400円)と、世界最高額で取引されているという。NordVPNは、「データ供給の少なさ」と「不正検知システムの厳しさ」が、日本のクレジットカード情報が高値で取引される主な理由と分析している。

 日本のカード会社では、不審な取引を検知し、迅速に対応するシステムが整っているため、盗まれたクレジットカード情報を悪用する者にとって「有効」なクレジットカード情報の供給がそもそも少なくなる。不正検知システムが厳しい市場では、入手したクレジットカード情報が無効化される可能性も高く、犯罪者にとってもハイリスクだが、それだけに「長期間悪用できる」クレジットカード情報は希少で、プレミアが付く。このような事情が、ダークウェブにおける日本のクレジットカード情報の価格を上昇させているというわけだ。

ダークウェブ上で最も高価/安価にカード情報が取引されている地域

 ダークウェブでは、クレジットカード番号だけではなく、氏名・住所・メールアドレス・電話番号・セキュリティコードなどがセットになって販売されるケースが一般的だという。これらの情報を用いて、オンライン決済やギフト券購入などを通じて不正に現金化する「カーディング」という手法の犯罪が行われると、同社は説明している。

 NordVPNのサイバーセキュリティ専門家であるアドリアヌス・ワーメンホーフェン氏は、クレジットカードを安全に利用するために、以下の5点の対策を実践すべきだとしている。

  • 利用明細を定期的に確認する
  • 強力なパスワードを設定する
  • ブラウザーの自動保存を無効にする
  • 多要素認証(MFA)を導入する
  • ダークウェブ監視ツールを活用する