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フェイクニュース記事は1600円、Instagramの1000いいね!は2円、YouTube動画の1000回再生は330円から購入可能~トレンドマイクロ調査

 トレンドマイクロ株式会社は、世論の操作を目的にインターネット上で虚偽のニュースを拡散させる宣伝工作である“フェイクニュース”に関する調査結果を発表した。

 調査は、フェイクニュースのプロセスを「作成・発信」と「拡散」に分類し、それぞれで用いられるアンダーグラウンドサービスや悪用され得る正規サービスについて調査を行ったもの。

 調査によれば、中国には、800ワードまでの記事作成を100元(約1600円)、1500ワードまでを200元(約3300円)程度で請け負うコンテンツマーケティングサービスと、作成された記事を、希望するニュースサイトや新聞で発信できる別のサービスが存在していた。ニュースサイトへの記事掲載は500~1300元(約8200~2万1000円)だったという。

 一方、ロシアには、記事作成と掲載をセットにしたサービスがあり、30万~55万ルーブル(約54万~99万円)で、4000~6000文字までの記事をロシア国内のニュースサイトに掲載することを請け負っているという。さらに、別のロシアのPR代理店サイトは、150万ルーブル(約270万円)で、ロシア国内の新聞や雑誌上に「広告と表示されない形」での記事掲載が可能としているという。

ニュースサイトへの記事掲載が可能とする中国のサービスの価格表例

 こうして作成・発信したフェイクニュースの拡散を請け負うサービスもある。SNS上の「いいね!」や動画の再生回数の売買は、主要なSNS事業者の規約で禁止されている。しかし、ロシアには、Instagramの「いいね!」1000件を1~170ルーブル(約2円~約310円)、Twitterフォロワー1000件を190ルーブル(約340円)で請け負うサービスや、188~250米ドル(約2万1000~約2万8000円)でFacebook投稿に対して1カ月で1000件のコメントを付けるサービス、3米ドル(約330円)で特定のYouTube動画に1000回の視聴回数を請け負うサービスが確認されたという。

 こうしたSNSなどによる拡散のほかに、インターネット上で行われるアンケートやオンライン署名活動などの結果を操作するクリック詐欺などのサービスも確認したという。一部のロシアのサイトでは、特定の署名サイトに対する1000票の価格が6000ルーブル(約1万1000円)とされていた。

InstagramなどSNSを使ったコンテンツ拡散サービスを提供するサイト例

 トレンドマイクロでは、こうしたフェイクニュースに対し、その内容を受けて扇動や操作に乗らないよう、ユーザー自身がその手口を知り注意する必要があるとしている。

 そして、フェイクニュースの見分け方として、記事の公開日や著者・情報源についての情報が不足している記事、複数のSNSアカウントで全く同じ文面の投稿が行われている記事などを挙げ、こうした場合には、複数のメディアを確認してそのニュースが正しいかを確認することを推奨している。

 また、フェイクニュースと推測される場合は、自分がフェイクニュースの拡散元とならないよう、SNSアカウントなどで安易に拡散しないよう注意することが必要としている。

実際のフェイクニュースの事例(後に地元警察に否定された内容)