電通、雑誌を有料配信する「MAGASTORE」。第1弾はiPhone向け
MAGASTOREアプリの画面イメージ |
電通は、株式会社ヤッパと業務提携して、電子雑誌を有料配信する事業「MAGASTORE(マガストア)」を2009年夏に開始する。当初はiPhone向けにサービスを開始し、その後は携帯電話の公式サイトやPC、ゲーム機向けへの展開も予定する。
MAGASTOREには、小学館や講談社、新潮社、幻冬舎、朝日新聞出版をはじめとした20社以上の出版社が参加。2009年夏のサービス開始当初には、ビジネス誌やゴルフ誌、趣味と実用誌など、約30誌の雑誌を有料配信する。電通によれば、2009年内に約30社、50誌以上に参加出版社と雑誌が拡大する予定という。なお、具体的な雑誌名は追って発表する。
iPhone向けの配信では、ビューワーアプリケーション「MAGASTOREアプリ」を115円で販売。雑誌コンテンツはMAGASTOREアプリ上から購入でき、価格は115円から600円程度。また、最新号に加えて、バックナンバーも販売する。なお、今後予定する携帯電話やゲーム機など向けの配信時も同程度の価格を予定する。
購入した雑誌は、MAGASTOREアプリ内の「MyShelf」で管理され、データをダウンロードした雑誌であれば、携帯電話の電波が圏外の状態でも閲覧できるという。また、データを削除した場合でも、サーバーから追加料金なく再ダウンロードが可能だ。このほか、試読用途などの無料アプリの提供も検討する。
デジタルコンテンツの権利管理には、電通が1997年に考案し、2008年6月に国際電機技術標準化会議(IEC)で標準化された「許諾コード方式」を採用。同方式では、コンテンツにバンドルされた「コンテンツID」と、権利者・許諾管理者を特定する「From ID」、配信事業者・利用者・機器を特定する「To ID」を使って、コンテンツの利用・消費実績を管理できるという。
電通では、国内の書籍およびコミックの電子配信市場は年間約730億円に規模が成長しているが、「雑誌に関しては書籍やコミックと比べて閲覧方法が容易ではなく、電子配信市場は確立していない」と分析。一方、大画面やタッチパネルに対応したiPhoneなど製品の急速な普及によって、一部雑誌で電子配信サービスが立ち上がりはじめていることから、ヤッパと提携して雑誌閲覧に適したビューワーを開発するとともに、プラットフォーム開発を進めてきたという。
なお、MAGASTOREで販売する電子雑誌は当面広告抜きになるが、電通では将来的には販売する電子雑誌コンテンツに対する広告配信も開始したい考えだ。
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(村松 健至)
2009/7/8 16:52
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