So-net、オンラインゲームをコア事業の1つに~中間決算説明会


ソネットエンタテインメントの吉田憲一郎代表取締役社長

 ソネットエンタテインメント(So-net)は27日、2009年度中間期(2009年4月~9月)の連結決算を発表した。売上高は351億2600万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は30億8000万円(同0.9%減)、経常利益は30億3700万円(同17.2%減)、当期純利益は12億4800万円(同40.0%増)。

 セグメント別では、接続事業の売上高が236億9600万円で前年同期比10.1%の増加、営業利益も26億900万円で10.0%の増加。一方、ポータル事業は売上高が113億8700万円で7.5%増加したものの、営業利益は15億5200万円で18.3%減少した。

 接続事業では、So-netのブロードバンド会員が半期で7万契約増加し、139万契約となった。内訳は、FTTHが91万契約、ADSLが47万契約。また、25%出資しているアクトビラの市場における認知が進んだとしており、アクトビラの累計接続台数が同じく半期で約40万台増加、9月末で約130万台に達したという。今後、FTTHを契約する動機付けとしてテレビ向けのIP映像配信サービスが重要になってくるとして、引き続き連携を図っていく考えだ。

 ポータル事業で営業利益が減少した背景としては、ECや一部コンテンツ出事業撤退したこと、連結子会社であるソネット・メディア・ネットワークスの広告ネットワーク事業が景気悪化の影響を受けたことを挙げた。また、モバイルゲームへの移行を進める費用が先行する中で、まだ売り上げがついてきておらず、固定費比率が上昇していることも要因だという。オンラインゲーム事業を手がける連結子会社のゲームポットにおいては、国内ゲームタイトルの売り上げが伸びているものの、海外展開での先行投資が響いた。

 経常利益の減少は、主にディー・エヌ・エーを持分法の適用から除外したことによるもの。純利益の増加は、主に前年の投資有価証券評価損(9億4000万円)の影響が無くなったためとしている。


営業利益の増減要因ブロードバンド会員数の推移

自社開発モバイルゲームのソーシャル化を推進

 27日にSo-netが開いた決算説明会で吉田憲一郎代表取締役社長は、オンラインゲーム事業の展開について時間を割いて説明した。ゲームポットの上期の国内売上高は、「ファンタジーアースゼロ」「スカッとゴルフ パンヤ」など含め約25億円。これに海外の売上高などを加えても、オンラインゲーム事業はまだそれほど大きな比率を占めているわけではない。これを今後、コア事業の1つに育てていく考えだ。

 具体的には、Gamepot USAを通じてすでに海外でオンラインゲームの提供を開始しているが、今年度3タイトル、来年度4タイトルをリリースする予定だ。このほか、自社運営ゲームの海外向けライセンス展開、モバイル/ソーシャルゲームの開発、自社開発ゲームのキャラクター展開などを行う。

 モバイル/ソーシャルゲームについては、すでに髪型シミュレーションアプリ「ヘアスタ」を広告モデルで提供しているが、今後はアバターも導入して課金モデルで提供していきたいとした。また、位置情報やGPS情報を活用した釣りゲーム「ココ釣りマスター」については、携帯電話向けの「mixiアプリモバイル」が27日に公開されたのに合わせ、「ココ釣りマスターmixi」を投入した。今後は「モバゲータウン」にも対応していくという。吉田社長は、自社開発のモバイルゲームについて「仮想通貨、アバター、SNSの機能は当たり前のように入れていきたい」という。

 こうしたカジュアルゲームだけでなく、本格的なMMORPGもモバイルで展開していく。来春に3タイトルをリリースするため準備中で、このうち2タイトルはPC向けタイトルとも連動するものになる。

 キャラクター展開としては、「PostPet」「Livly Island」をニンテンドーDSでも展開する。「PostPetDS 夢見るモモと不思議のペン」を12月24日に、「Livly Garden」を2010年1月28日発売することが決まったと報告した。

 オンラインゲームは、広告ネットワークとしても活用し、ゲーム内広告も本格展開する。ゲームポットが開発した「ペーパーマン」のほか、他社タイトルである「サドンアタック」「ドルアーガの塔」という3タイトルにおいて、パッケージソフトなどの広告をゲーム内に設置する。

 2009年度通期の業績予想は、売上高が730億円(前年度比10.1%増)、営業利益が70億円(同18.2%増)、経常利益が66億円(同1.0%減)、当期純利益が26億円(同21.1%増)。こうした見通しを示した上で吉田社長は、「So-netのコアは接続事業だが、オンラインゲームもコアにしていきたい。広告事業、ソリューション事業、ソネット・エムスリーと合わせ、グループとして成長を図っていきたい」と述べた。


ゲームポットのID数と売上高ニンテンドーDSへのキャラクター展開

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(永沢 茂)

2009/10/28 06:00