Pandaのクラウド型無料ウイルス対策ソフトが正式版に


Panda Cloud Antivirus

 スペインのPanda Securityは10日、無料ウイルス対策ソフト「Panda Cloud Antivirus 1.0」を正式公開した。対応OSは、Windows 7(32bit版・64bit版)/Vista(32bit版・64bit)/XP(32bit版)。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など11カ国語に対応している。現時点では日本語には未対応だが、今後対応予定。

 「Panda Cloud Antivirus」は、定義ファイルに基づく既存のウイルス対策ソフトとは異なり、世界中のユーザーからの情報に基づき、実行ファイルに限定して複数の暗号化されたハッシュを作成し、危険なファイルを分類する。このシステムをPanda Securityでは「コレクティブインテリジェンス」と呼んでいる。それらの情報がクライアントソフトに送られ、マルウェアを防ぐ仕組みだ。クライアントソフト側に大量のリソースを必要としないため、必要なメモリ容量は20MBに過ぎず、CPUリソースの消費量も少ないとしている。

 Panda Securityでは、「Panda Cloud Antivirus」のベータ版を6カ月間テストしてきた。今回の正式版ではインターフェイスやパフォーマンスが改善されたほか、11カ国語への対応がなされた。

 ベータ版は、雑誌「PC World」の無料ウイルス対策ソフト部門でベストアプリケーションに選ばれたほか、ウイルス対策ソフトのテストを行う「AV-Test.org」でマルウェア探知率99.4%を記録するなどの評価も受けている。


「コレクティブインテリジェンス」のデータベース情報「コレクティブインテリジェンス」の利用状況

 Panda Securityが「Panda Cloud Antivirus」を無料で公開するのは、多くのユーザーに利用してもらわなければ、クラウド型サービスのメリットを生かせないと考えているからだ。

 同社では今後も有料のウイルス対策ソフトを提供するが、上位有料版ではメモリ消費量とパフォーマンスをさらに向上させるとともに、ファイアウオール、フィッシング対策、スパム対策、フィルタリングなどの機能面で差別化を図る。また、有料版ソフトでは、引き続き定義ファイルに基づくマルウェア対策手法も採用するとしている。

 なお、Panda Securityでは、「Panda Cloud Antivirus」を他のウイルス対策ソフトと併用するべきではないとしている。そのため、「Panda Cloud Antivirus」をインストールする際には、使用中のウイルス対策ソフトはアンインストールする必要があるとしているため注意が必要だ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/11/11 14:39