ワンクリック不正請求トラブル、相談事例が半年で1万7794件


 国民生活センターは3日、ワンクリック不正請求の手口が多様化・巧妙化しているとして、トラブルの傾向や相談事例を公表し、注意を呼びかけた。

 PCや携帯電話でアダルトサイトなどにアクセスしたところ、いきなり「登録ありがとうございます」などと表示され、高額な料金を請求されるワンクリック不正請求のトラブルは、各地の消費生活センターと国民生活センターに、2009年上半期だけで1万7794件寄せられている。

 ワンクリック不正請求のトラブルは、これまではアダルトサイトが中心だったが、最近では芸能情報サイトや携帯小説サイト、アニメサイトなどから、意図せずにアダルトサイトや出会い系サイトに誘導される事例もあるという。

 2009年上半期の相談件数の内訳は、男性が1万2148件、女性が5532件。年代別では、20歳未満が2967件、20歳以上70歳未満が1万4218件、70歳以上が205件。女性や未成年者からの相談も少なくなく、手口の多様化・巧妙化が伺えるとしている。

 相談のあったサイトの内訳は、アダルトサイトが1万2722件、出会い系サイトが2539件で、アダルトサイトと出会い系サイトがほとんどを占めている。アダルトサイトについての相談件数は、男性が9469件、女性が3253件で、女性からの相談も全体の4分の1程度ある。また、出会い系サイトについての相談件数は、男性が1404件、女性が1135件でほぼ同程度となっている。

 相談事例としては、芸能情報サイトから有料アダルトサイトに誘導された例、無料の携帯小説サイトだと思っていたが高額な料金を請求された例、PCの起動時に請求画面が表示されるようになってしまった例、占いサイトへの登録と同時に出会い系サイトにも登録されてしまった例などを紹介。きっかけとなるサイトが多様化していることに加えて、これらのサイトではユーザーに「無料」と誤解させる手口や、クリックしただけで登録となる手口、消費者を不安にさせて請求を行う手口などが用いられている。

 こうしたことから、消費者へのアドバイスとしては、「不用意にアクセスしない・クリックしない」「あわてて業者に連絡しない」「利用料金の請求を受けても、言われるままに支払わない」「未成年者は家族に相談すること」といったポイントを挙げている。また、PCに定期的に請求画面が表示されるなどの場合には、IPA(情報処理推進機構)が公表している対処方法を参照することや、最寄りの消費生活センターに相談することを推奨している。


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(三柳 英樹)

2009/12/4 06:00