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BIGLOBEがAndroid端末販売へ、アプリのマーケットプレイスも開設


 NECビッグローブ(BIGLOBE)は17日、コンシューマー向けのブロードバンド/モバイル接続回線や各種ポータルサービス/コンテンツを組み合わせて提供する「クラウドデバイス&サービス事業」を開始すると発表した。

 そのための「クラウドデバイス」として、タブレット型のAndroid端末を同社自らが販売。BIGLOBEが自宅・外出先問わずに、1台の端末で各種クラウドサービスを利用できる環境を提供する。まずは2010年2月から3月まで、BIGLOBE会員をモニターとして試験提供し、利用ニーズなどを探る。

 これに先行して1月には、Android向けアプリ/コンテンツをダウンロード提供・販売するマーケットプレイスサイト「andronavi」も開設する。


BIGLOBEの飯塚久夫代表取締役執行役員社長 BIGLOBEの古関義幸取締役執行役員常務

家では無線LAN、外では3G/WiMAX、面倒な契約・設定不要で自動接続

 「クラウドデバイス」としては、ハードウェアベンダー各社が開発・製造するAndroid端末を広く調達する方針だが、試験サービスでは、台湾Camangi社製の「WebStation」をモニターに貸し出す。

 「WebStation」は、日本でも12月末から一般向けに販売される製品。WVGA(800×480ドット)の7インチタッチパネルディスプレイを搭載し、大きさは200×120×14.5mm(横×縦×厚さ)、重量は約390g。Android OS 1.5を搭載しており、Webブラウジングなどが行える。CPUはMarvell PXA303 624MHz、メモリが128MB、システム用NANDフラッシュメモリが265MB。IEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能を内蔵するほか、microSDカードスロットやUSBポートを備える。内蔵のリチウムポリマーバッテリーによる4〜5時間の駆動が可能だ。


台湾Camangi社製のAndroid端末「WebStation」 吸盤式のスタンド

 BIGLOBEでは、MVNOで提供している3GまたはWiMAXサービスのUSBドングルをバンドルするとともに、利用場所に応じて回線を自動的に切り替える「オートコネクト」などの独自ソフトをプリインストールした状態で販売。起動後に表示されるホーム画面には、BIGLOBEのトップページや検索サービス「BIGLOBEサーチ」、Webメールサービス「ウェブリメール」、携帯電話と連携する写真共有サービス「フォトポケ」、後述する「andronavi」など、BIGLOBEの各種サービス/アプリもアイコンとしてあらかじめ登録されている。

 これにより、BIGLOBE会員が購入後、電源を入れてIDを入力するだけで、インターネット接続をはじめ、Webメールサービスや写真共有サービスなどのパーソナルサービスの設定が自動的に行われ、簡単に利用できるようにしたい考えだ。ノートPCやネットブックにおける回線の使い分けや設定、個々にサービスのアカウントを設定するなどの手間を解消する。なお、「WebStation」には電話機能やカメラは搭載しておらず、BIGLOBEで採用するモデルはGPSも内蔵していないものとなる。


「クラウドデバイス」の概要 接続サービスの概要

 利用シーンとしては、自宅内で無線LAN経由でインターネットに接続し、リビングやキッチンでニュースや天気予報を閲覧したり、料理レシピを検索するといった生活関連コンテンツを想定。また、「WebStation」には、背面に吸盤で取り付けるスタンドも付属しているため、デジタルフォトフレームとして写真を表示したり、寝室に置いて目覚まし時計アプリを利用するなど、据え置きデバイスとしても有用だとしている。

 さらにそのまま外に持ち出せるサイズのため、公衆無線LANや3G/WiMAX回線でインターネット接続すれば、外出先でも自宅内と同様に使える。電子書籍や電子コミックを読むことも想定しており、画面の小さい携帯電話や、機能が限られる携帯ゲーム機あるいは電子ブックリーダーとの差別化が図れるとみている。


目覚まし時計アプリの例 コミック本の判型とほぼ同じサイズで、1ページごとに表示するのに適しているという

NECもAndroid端末を開発中、2010年後半に発売予定

 「クラウドデバイス」のモニターは、BIGLOBEの個人会員を対象に2010年1月中旬から100人募集。その後、2カ月間の試験提供を通じて、このサイズのタブレット端末のニーズやサービスへの要望などを探った上で、2010年中の本格提供を目指す。

 グループ会社であるNECでも、7インチタッチパネルディスプレイを搭載したAndroid端末を開発中で、2010年後半にも製品化予定だ。BIGLOBEの「クラウドデバイス&サービス」の本格スタート時には、こちらも採用されることが見込まれる。

 現時点ではまだモックアップのみが公開されているが、カメラを内蔵しているほか、3G/WiMAXモジュールやワンセグチューナーなどを内蔵するモデルもラインナップされる模様だ。また、特に動画性能を30fpsにまで高めているのが特徴だとしており、動画プレーヤーとしての利用もカバーする。


NECが開発中のAndroid端末のモックアップ(後列)。フォトフレーム型のものもある(左奥) 2010年後半に発売予定のNEC製Android端末のモックアップ

 BIGLOBEによる販売価格はいずれも3万円台。通信サービスについては、自宅内ではFTTHなどの固定回線が別途必要。公衆無線LANや3G/WiMAXのモバイル回線については、具体的な料金は未定だが、2段階定額制を予定している。固定回線がBIGLOBEの場合は、モバイル回線まで含めてワンストップで契約できるようにする。

マーケットプレイスでは、アプリだけでなくコミックも配信

 「andronavi」は、BIGLOBEが独自に運営するAndroid向けアプリ/コンテンツのマーケットプレイスサイトだ。まずは2010年1月7日に情報サイトとしてオープンした後、1月下旬から無料アプリ、3月末から有料アプリのダウンロード提供を開始する。アプリ/コンテンツの登録審査はBIGLOBEが独自に行うことになるが、特にBIGLOBEの「クラウドデバイス」向けに限定せず、広くAndroid向けアプリ/コンテンツをラインナップする。

 登録されているアプリ/コンテンツは、ジャンル別や評価スコア順などで検索可能。海外製アプリについては、日本語化または日本語の翻訳記事を掲載するなとして日本のユーザーが使いやすいよう配慮する。さらに、コンテンツ事業者との提携により、コミックやゲームなども拡充する。来秋には英語圏向けに世界展開を図る計画で、日本のコンテンツを世界に販売していきたい考えだ。

 多用な課金体系を用意し、一般的な売り切り型だけでなく、継続課金や時間単位課金などの機能も検討しているという。


Android向けアプリ/コンテンツのマーケットプレイスサイト「andronavi」 「andronavi」の概要

「クラウドデバイス&サービス事業」で2012年度に売り上げ100億円

 BIGLOBEの飯塚久夫代表取締役執行役員社長は、「クラウドデバイス&サービス事業」について、「ISPが端末にまで手を伸ばそうとするもの」と説明。インターネットの利用が拡大・多様化していることを受け、ISPにとってはなかなか利益に結び付かないトラフィックだけが増加の一途をたどっている中で、新たなビジネスモデルを確立したいと強調した。

 2012年度末までに「クラウドデバイス」の利用者を累計20万人、「andronavi」の登録アプリ/コンテンツを累計10万本、購入者を年間250万人にまで拡大し、「クラウドデバイス&サービス事業」全体で2012年度の売り上げ100億円を目指す。


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(永沢 茂)

2009/12/17 19:01

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