EUが電気通信で新条約、加盟国は2011年6月までに施行義務


 欧州連合(EU)は19日、通信規制改善指令と市民権指令からなる電気通信の新条約を施行した。これによりEU加盟27カ国は、2011年6月までに条約の内容を国内法化する義務を負うことになる。

 今回の新条約により、EU全体の通信業務の規制管理を行う組織としてBERECが設立され、20日後に正式に業務を開始するという。BERECは今回の条約に基づいて加盟各国の通信規制を管理し、EUの通信市場の単一化のために種々の業務を行う。新条約は、11月に欧州議会と欧州評議会とが最終合意に至ったことを受けて施行となった。

 施行に先立ち、欧州委員会の情報通信担当委員であるViviane Reding氏は、今回の条約により通信事業者および市民は通信サービスに国境を感じることが無くなるということができ、その意味でBERECはその象徴であると説明。2010年以降は各国の通信規制当局と欧州委員会が協力し、通信サービスにおいて公平・公正な競争環境を整備することになるとし、各国は迅速に国内環境を整えるべきとの見解を出した。

 BERECは各国の通信規制当局の代表から構成され、3分の2の多数決で意思決定される。単純過半数の場合は、BERECは各国の規制当局および欧州委員会と協議の上、意思決定することになるという。BERECは各国当局の業務支援や勧告、多数国間の調整なども行う予定。

 BERECのほか、欧州委員会では現在、通信市場単一化に向け12の改革案を並行して進めており、例えば通信周波数の帯域について今後提案を行う予定であるとしている。


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(Gana Hiyoshi)

2009/12/21 16:06