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ネットの接触時間と広告費の差が今後の課題、Nielsen説明会


ネットレイティングス代表取締役会長兼CEOのCharles Buchwalter氏

 インターネット利用動向調査サービス「Nielsen Online」を提供しているネットレイティングスは19日、アジアにおけるオンラインメディアの利用動向や広告市場に関する説明会を開催した。

 ネットレイティングス代表取締役会長兼CEOのCharles Buchwalter氏は、アジア市場の規模は既にヨーロッパや北米などの地域を大きく引き離していると説明。一方で、インターネットの利用率は、北米が74.2%、ヨーロッパが52.0%であるのに対して、アジアはまだ19.4%にとどまっており、さらに今後の成長が望める地域だと語った。

 ユーザーのメディアへの接触率の変化については、代表的な例として台湾のデータを紹介。テレビは依然としてゆるやかに増加しているが、それを上回る勢いでインターネットが増加し、新聞と雑誌が減少している。これは、世界各国でも似たような傾向にあるとした。

地域別のインターネットユーザー数とインターネット利用率 台湾におけるメディア接触率の推移

 Buchwalter氏は、「これは私のお気に入りのグラフだ」として、台湾におけるメディアごとの1日あたりの接触時間の割合と、メディアごとの広告費の割合のグラフを紹介。接触時間の割合は、テレビが39%、インターネットが20%。これに対して、広告費の割合は、テレビが40%、インターネットが13%で、その差は近づきつつあるとした。

 ただし、他の国ではまだこうした状況にはなっていないとして、香港のデータも紹介。香港では、接触時間はテレビが33%、インターネットが21%だが、広告費ではテレビが38%、インターネットは1%と大きな差がある。これは、日本や米国などでも同様の状況だという。

台湾ではインターネットの接触時間と広告費の割合が近づいている 一方、香港ではインターネットの接触時間と広告費の割合には大きな差があり、各国も似たような状況だという

 広告の動向としては、消費財メーカーがインターネット広告にシフトする傾向が各国で見られており、2010年には消費財メーカーがオンライン業界の最も大切なパートナーになると説明。ユーザーの接触時間に比例していく形で、今後広告主もインターネットにシフトしていくことが予想されるとして、「広告メディア会社も、視聴者をより一層惹きつけるオンラインエクスペリエンスを提供する方法を考えなければいけない」と語った。

米Nielsenオンライン部門CEOのJohn Burbank氏

 米Nielsenオンライン部門CEOのJohn Burbank氏は、ユーザーのメディア接触時間と広告費の割合に大きな差があるというデータを再び示し、「広告主とメディア企業はどちらも、なぜこのようなことになっているのかと思っているだろう。これについては何時間でも語りたいが、簡単に言えば、適切でない指標で(広告の)売買が行われていることが原因だと考えている」と説明。テレビなど他のメディアの広告では、広告によって視聴者のブランドイメージや購買意欲などがどのように変化したかといった広告効果の計測が行われているが、インターネット広告ではクリックやインプレッションといった特有の指標が用いられており、他のメディア広告からは全く別物として切り離されているとした。

 一方で、広告主はすべてのメディアを通して広告を配信するようになっており、いつまでもインターネットを別物として扱うべきではないと主張。NielsenがFacebookと実施した広告効果の測定では、ブランドの好意度や購入意向が高まったという結果を紹介し、今後はインターネットを含めたメディアを統合的に測定できる、一貫性のある指標を提供するサービスが重要になると語った。

インターネット広告も、テレビ広告などと同様の指標で計測するようになると予測 NielsenがFacebookと実施した広告効果に関する調査結果

 ブログやSNSなどのソーシャルメディアについては、2008年から2009年にかけての調査ではどの国でもユーザー数が増加しており、世界中で人気が高いと説明。また、ソーシャルメディアサイトのユーザー数による各国別ランキングでは、オーストラリアでは「Facebook」「Blogger」といったサービスが上位に来るが、日本では「Ameba」や「livedoor Blog」、韓国では「Naver」といったサービスが上位となり、アジアではローカルに根ざしたサービスが人気がある点が特徴だとした。

 また、日本ではmixiがSNSではトップだが、リーチ(到達率)は15%前後で、他国のSNSのリーチが60%前後であるのにに比べると低いと説明。ただし、日本においては他のSNSを大きく引き離しており、日本でもFacebookのユーザーは徐々に増えているものの、リーチの差は7倍以上あるとした。

 Burbank氏は、「このデータは、日本においてもSNSはまだまだ伸びる余地があることを示している。それはmixiが伸ばすのか、それともFacebookのようなグローバルなサービスが伸ばすのかが、今後1〜2年で注目のトレンドになるだろう」と語った。

mixiは他国のSNSに比べてリーチが低い 日本国内ではmixiとFacebookには依然大きな差がある

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(三柳 英樹)

2010/1/19 18:59

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