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ケータイ小説にR-18のような格付け、「サイバー特区」で実証実験


 三菱総合研究所と株式会社魔法のiらんどは、インターネットコンテンツのセルフレイティングの実証実験を実施する。携帯電話・PC向けのホームページ作成サービス「魔法のiらんど」において、ケータイ小説に推奨年齢や性・暴力表現の程度などを示すレイティング(格付け)ラベルを作者自身で設定してもらう機能を試験提供。CGMにおけるセルフレイティングの普及の可能性を探る。


セルフレイティング実証実験の概要

 魔法のiらんどでは18日、実証実験の特設サイトを開設。まずはケータイ小説の作者向けに、自分の各作品に「ラベル」を付与できる機能を実装した。27日15時時点で、すでに3191人が5829作品にラベルを設定したという。

 ラベルは、推奨年齢ラベルと表現内容ラベルの2種類で計6項目がある。まず推奨年齢ラベルでは、全年齢お勧めの「ALL」、12歳以上の「12」、15歳以上の「15」、18歳以上の「18」があり、設定したラベルに応じて作品の表紙などに丸付き数字などのアイコンが表示される。

 表現内容ラベルについては、「性に関する表現」「暴力に関する表現」「自殺に関する表現」「犯罪に関する表現」のほか、飲酒や喫煙、恐怖(ホラー)表現が含まれる「その他の表現」に分かれており、それぞれ表現が出てくる程度によりレベル0、1、2の3段階で設定。ハートマークや握り拳、どくろマーク付き薬ビンなどのイラストと数値を組み合わせたアイコンで示される。

 特設サイトでは、セルフレイティングの仕組みやラベル設定する際の目安などを噛み砕いてわかりやすく説明している。


ケータイ小説作者用の実証実験特設サイト ケータイ小説読者の実証実験特設サイト

推奨年齢ラベルについての説明ページ 内容表現ラベルについての説明ページ 表紙ページへのラベル表示例

 2月1日からは、特設サイトにおいて読者用の検索エンジンも公開。そこでケータイ小説を検索すると、検索結果ページには作品タイトルや作者、ジャンルとともに、設定されたラベルのアイコンが表示されるため、自分が望まない表現を含む作品かどうかの判断材料となる。また、検索オプションとして、あらかじめラベルを絞り込んで検索することも可能だ。


ケータイ小説検索のラベル絞込みオプション

 実証実験は、総務省の「ICT利活用ルール整備促進事業(サイバー特区)」の2009年度事業の1つとして行われるものだ。総務省の中村朋浩氏(総合通信基盤局消費者行政課課長補佐)によると、インターネットコンテンツのレイティングは、有害情報対策の1つとして有力視されているが、携帯フィルタリングサービスなどで導入されている第三者によるレイティングは、表現の自由に関する課題もあるという。

 一方、セルフレイティングは、コンテンツ制作者やサイト運営者が自らレイティングを行い、利用者に対してその内容を積極的に公開するかたちになるため、表現の自由も尊重されるとともに、特にSNSなどを含むCGMを対象としたレイティングの手法として有力視されているという。

 しかしながら、セルフレイティングは、従来から提唱されては消えていく繰り返しであり、Internet Explorerにもこれに対応した閲覧制限機能が実装されているものの、認知されていないと説明。中村氏は、利用者にとってセルフレイティングを利用することのインセンティブがないためだと指摘し、「今回、もう一度実証実験をやって課題を見つけ、どうすればうまく行くのか検証し、うまく行くのでればセルフレイティングを広めていきたい」とコメントした。

 実証実験は2月26日まで行われ、3月中に報告を取りまとめる予定。三菱総合研究所と魔法のiらんどのほか、検索エンジンの開発でNTTレゾナント、セルフレイティング仕様の策定でモバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)とインターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)も協力している。


総務省の中村朋浩氏 三菱総合研究所の高橋知樹氏 魔法のiらんどの鎌田真樹子氏

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(永沢 茂)

2010/1/28 19:37

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