「着うた参入妨害」の審決取消訴訟、レコード会社の請求棄却
ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は、東京高裁に対して「着うた参入妨害」の審決取り消しを求めた訴訟について、同社の訴えが棄却されたと発表した。
SMEやビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージック、エイベックス・マーケティング、東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)の5社は、2005年3月、着うた配信事業への参入を妨害しないよう、公正取引委員会より排除勧告を受けた。東芝EMIは勧告に応じたが、他4社に対しては審判が行われ、2008年7月に審決が下された。
審決の結果、レコード会社によって共同設立されたレーベルモバイル(現レコチョク)に着うた配信を委託する一方、他の事業者に共同してそれぞれが保有する楽曲の原盤権の許諾を与えていないとされた。
2008年8月、この審決の取り消しを求め、SMEやビクターエンタテインメント、ユニバーサル ミュージック、エイベックス・マーケティングの4社は、公取委を被告として審決取消訴訟を起こした。2010年1月29日、東京高裁はレコード会社側の訴えを退け、公取委側の排除勧告を認めたことになる。
SMEでは、「一環して主張してきた、共同の取引拒絶といった行為は存在しない、という事実が認められず非常に残念」とコメントしている。今後の上告の可能性については、「判決文を良く読んで検討した上で会社として決定していきたい」としている。
また、エイベックス・グループ・ホールディングスでは、「当社グループの主張が認められず誠に遺憾。今後の上告については、判決文を十分に読んでから検討する」としている。ビクターエンタテインメントでも「主張が受け入れられず誠に遺憾。今後の対応は判決内容を慎重に精査し検討する」としている。なお、ユニバーサル ミュージックからはコメントを得られていない。
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(津田 啓夢)
2010/1/29 19:35
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