ネットワーク輻輳を防ぐ「μTorrent 2.0」安定版公開
米BitTorrentは3日、軽量P2Pファイル共有ソフト「μTorrent 2.0」安定版を公開したと発表した。
「μTorrent 2.0」は、「μTP」と呼ばれる新プロトコルを採用し、ネットワークの過度な利用を自動的に防ぎ、ネットワーク輻輳(いわゆる渋滞)を防ぐことを目指しているという。BitTorrentでは、μTPプロトコルには、エンドユーザーにとって3つの利点があると説明する。
1つめには、μTorrentクライアントが帯域を使い果たして、他のアプリケーションがネット利用不能になる事態を自動的に調整して防ぐ。これにより平均ダウンロード速度が向上するという。
2つめには、μTPプロトコルがネットワーク輻輳を防ぐ目的で開発されているため、ISPが好意的な目で見てくれる可能性があり、結果として、古いBitTorrentプロトコルよりもダウンロード速度が向上する可能性があることだ。
3つめには、μTPプロトコルによって、ネットワーク輻輳によるダウンロード転送停止からの回復が早くなることが見込まれるということだ。
μTorrentに代表されるファイル交換ソフトの多くは、著作権を侵害しているファイルが流通しているとの指摘もあるほか、海賊版の流通にしばしば利用されるtorrentファイル配布サイトがセキュリティ上の脅威になることも指摘され始めている。しかしその一方で、Linuxリストレビューションなど大規模なファイルが合法的に配布されている事例もある。
ファイル共有ソフトがネットワーク輻輳を招いて回線に負担をかけるとして利用を制限するISPが増える中で、μTPプロトコルがどれほどの効果を上げられるかが注目されるところだ。
「μTorrent 2.0」は、Windows 7/Vista/XP/2000/NTおよびWindows Server 2003、Wineに対応。英語、日本語など49カ国語に対応している。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2010/2/4 14:30
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