Googleが次世代広告配信技術を発表、売り上げ最大化へ4分野改良


「DoubleClick for Publishers by Google」のWebサイト

 米Googleは22日、次世代広告配信技術「DoubleClick for Publishers(DFP)」を発表した。

 DFPは、DoubleClick社のこれまでの「DART for Publishers」と「Google Ad Manager」を置き換えるものだ。これに伴い「DART」ブランドはなくなり、新たに「DoubleClick for Publishers by Google」という新ブランドを用いる。新デザインのロゴも発表した。

 多数の広告を配信しなければならないソーシャルネットワークサイトやエンターテインメントサイト、ポータルサイト、ニュースサイトなどでは、広告主から掲載依頼される広告を、どの場所に、どのタイミングで適切に配信するかが大きな課題となっている。それによって、大きく売り上げが影響を受けることになるからだ。DFPでは、このために必要な技術がふんだんに投入されているとしており、主に4つの分野で改良が行われた。

 1つめに、ユーザーインターフェイスの改良だ。Googleのユーザビリティ研究チームがエンドユーザーの意見を取り入れ、オペレーターのエラーをなくすとともに習熟にかかる時間を短縮させ、広告キャンペーンの執行を迅速に行うことができるようにした。また、多くのデータを視覚化することによって、ジオターゲティングやリッチメディアによる広告キャンペーンを行いやすくした。

 2つめに、広告配信の分析を行いやすくした。膨大なデータを分析できるGoogleのインフラを使用することによって、最大でこれまでの4000倍のデータを分析できるようになったという。ターゲティング広告の効率を高めるため、ターゲットとなるユーザーの地域分類を都市レベルにまで狭めることが可能になった。さらに1時間ごと、また1日ごとのトレンド分析、機械学習による予測エンジンを使用することによって、キャンペーン立案を効率化している。

 3つめに、広告配信サーバーを改良した。DFPに搭載された機械学習による予測エンジンによって、サイトに発生するトラフィックパターンの変化を事前に予測し、スケジュール通りの広告配信を行ったり、複雑な広告キャンペーンの優先順位を決めることができるようになった。さらに、ジオターゲティングなどを含むさまざまな広告配信スケジュールに関するオプションを設定できるようにした。

 4つめに、DFPの機能を利用できるAPIが公開された。これにより、大規模サイトが自社アプリケーションをDFPと連動できる。また、サードパーティによるアプリケーション(例えば営業支援、受注管理、ワークフロー管理ツールなど)をDFPと統合できるようになっている。

 DFPは2つのバージョンで提供される。大規模サイト向けの「DFP」と、中小企業向けのシンプルな無料バージョン「DFP for Small Business」だ。

 これらの機能を追加する一連のアップグレードは、2010年中に1年程度かけて徐々に行っていくとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/2/23 13:30