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VISAとジャパンネット、ネット専用「ワンタイムデビット」説明会

「誰でも・24時間・無料・セキュア、それがワンタイムデビットだ」


 ビザ・ワールドワイドとジャパンネット銀行は24日、2月25日正午より提供開始する個人口座向けの新しい決済サービス「ワンタイムデビット」の説明会を開催した。

 ワンタイムデビットは、世界のVisaマークのあるネットショップで利用可能なネットショッピング専用のデビットカードで、カード番号は日本で初めてのワンタイム方式を採用。利用者が必要なときにその都度自分で発行して利用でき、カード番号の有効期間は10日間となる。利用代金は、ジャパンネット銀行の口座から原則すぐに引き落としされる。

 入会審査やプラスチックカード発行は不要で、ジャパンネット銀行に口座を持つ利用者であれば、すぐに利用を開始できる。

米国では件数、金額ともデビットがクレジットカードを上回る

ビザ・ワールドワイド代表取締役の岡本和彦氏。

 ビザ・ワールドワイド代表取締役の岡本和彦氏はまず、「VISAはオリンピックの公式カード。会場ではVISAしか使えません」と現在バンクーバーで開催中の五輪公式スポンサーであることをアピールした後、「米国ではデビットの利用はが非常に増えており、金額でも件数でもクレジットカードよりデビットの利用が上回っている」と米国でデビットの利用が増えていることを説明。

 その背景として、「経済が悪いときには、“借りて買う”より“いまあるお金で買う”と言う保守化が進む」という経済状況を挙げた。「日本でも若い人では3K商品(海外旅行、家電、車)が売れなくなっており、消費生活において保守化が進むのではないか」と分析した。不況の中でも伸びているネット市場にターゲットし、銀行残高から即時決済されるという「いまあるお金で買う」という消費者の傾向にもマッチすることから、高い期待を寄せているとコメントした。

 続いてビザ・ワールドワイドの外山正志氏(コンシューマープロダクト ヘッド)がVisaデビットの展開について説明。「米国では与信が厳しくなった中で、利用枠を気にせず使えるデビットが伸びている」と述べた。

 Visaが米国で行った、決済金額別にどの決済方法を選択するかの2007年調査では、100ドル以上の決済にはクレジットカードを使う人が51%と半数を超え、逆に、5ドル以下では約8割が現金決済を選択するなど、高額決済はクレジットカードで、小額決済は現金で、という使い分けがなされていることがわかる。デビットカードはその中間、25〜100ドルの価格帯での利用が多く、50ドル超100ドル未満では、半数近くがデビットでの決済を選択している。

米国では、2009年にはじめてVisaの取り扱い高でデビットがクレジットを上回った 米国でも5ドル未満では83%が現金決済。100ドルを超えるとクレジットカード払いが半数を超える。25〜100ドル未満の日常的な買物などでデビット決済が多く利用されている

 一方、日本では決済の84%が現金で、現在も現金が主流となっているが、「インターネット上の決済ではこれが逆転していて、決済方法として6割超がカード決済を最もよく利用している」と述べた。

 日本ではスルガ銀行、イーバンク銀行、日興コーディアルの3社がすでにVisaデビットを発行しており、4社目としてジャパンネット銀行が新たに加わったことになるが、日本では初のサービスとなる『ワンタイムデビット』は利用の都度に発行されるカード番号を使うため、カード番号の不正利用などが心配な人にも利用していただけるのではないかと述べ、期待を表明した。

日本は現金決済が84%を占める しかし、ネットショッピングではこれが逆転、カード決済が62.6%を占める。多くの場合手数料がかかるが、代引きやコンビニ払いを選択するユーザーも少なくない
Visaデビットの利用者像その1。クレジットカードを持っているが、デビットカードと使い分けたい顧客像 Visaデビットの利用者像その2。クレジットカードを利用できないユーザーや、クレジットカードに抵抗感が強いユーザーなど

「誰でも・24時間・無料・セキュア、それがワンタイムデビットだ」

ジャパンネット銀行代表取締役・専務取締役 小村充広氏

 株式会社ジャパンネット銀行からは代表取締役・専務取締役を務める小村充広氏が出席。日本初のインターネット専業銀行として2000年に営業を開始、今年でちょうど10年を迎えるジャパンネット銀行のこれまでの取り組みと、ワンタイムデビットの紹介を行った。

 小村氏は「ジャパンネット銀行は従来の銀行と違い、決済手数料がおもな収入源となる。このため、わが行にとっての優良顧客は、預金残高が多い顧客よりも、決済件数の多いヘビーユーザーということになる。顧客の年齢層は30〜40代が6割を占め、昼の12時と夜の23時が2つのピークとなっている。サラリーマンが昼休みと、夜自宅に帰って利用いただいているということではないか」として、ジャパンネット銀行の利用実態を紹介した。

 これまでの取り組みについては、「利便性とサービスを追求してきた」と述べ、ネットオークション決済、競馬や競輪など公営競技の決済、TOTOなどネットだけで完結する決済の利便性を追求してきた実績を紹介。「JRAでは年末に有馬記念があるが、中山競馬場に来るのは11万人。有馬記念の日に、ジャパンネット銀行の口座で馬券を買う人は25万人に上る。ジャパンネット銀行の顧客の方が、いまや中山競馬場で買う人より多くなっている」と実際に多くの人に利用されている例を挙げた。

 セキュリティについては、「大変重要なのが、日本初のネット銀行ということもあり、セキュリティに関する不安でユーザー離れを起こしてはいけないという社会的責任もある」と述べ、口座を持つ顧客全員にワンタイムパスワードを発行するハードウェアのトークンを配ったことを説明。

 ハードウェアのトークンには数字が表示されるが、数字は1分ごとに変わる。この数字を決済や登録情報変更などの際に入力することで不正利用を防ぐ仕組みだ。ジャパンネット銀行では、トークン以前には乱数表を顧客に送付していたが、4年ほど前に、この乱数表を推測するような手口を使うスパイウェアにより、顧客数名が被害に遭ったという。「トークンを導入して以来、パスワードを詐取されたというような被害は皆無になっている」(小村氏)。

ジャパンネット銀行の利用顧客や利用時間。男性が4分の3を占め、30〜40代が6割を占める。昼休みと23時に利用のピークがあり、会社員が昼休みと帰宅後に利用しているイメージ ジャパンネット銀行が口座を持つ顧客全員に配布したトークン。ワンタイムパスワードとなる数字が表示され、数字は1分ごとに変わる

 小村氏は、10年間ネット専業銀行として営業してきた中で得た、ネット決済サービスのポイントとして4つ挙げた。1つは、ネット市場は誰でもすぐに利用できないといけないということ。「これが日本のネットビジネスにおいては鉄則」だとした。2つめには、24時間リアルタイムであること。3つめは、低コスト。「ネットでは価格比較サイトなどもあって情報が集めやすく、経済性にきわめて敏感なユーザーが多い」。4つめは、セキュリティだとした。

 ネット決済では、クレジットカードと代引きが多く、クレジットカード利用に不安を感じる人も少なくない実状も紹介。ワンタイムデビットの番号は必要になった際に都度取得するワンタイム利用で有効期限が10日間のため、のちのち悪用される心配がない。そうした不安を持つユーザーにも利用していただけると期待していると述べた。

 「ワンタイムデビットは、審査がないため、ジャパンネット銀行に口座があれば、誰でも、24時間、決済手数料は無料で、セキュアに利用できる。この4つの条件をクリアし、ワールドワイドに張り巡らされたVisaネットワークを利用できる。それがワンタイムデビットだ」として、サービスへの自信を見せた。

 なお、決済金額については1回10万円までの制限がある。制限金額や、プラスチックのデビットカードの発行などについては、顧客の利用実態や要望なども踏まえて今後検討していくという。

ネット決済の利用割合(複数回答)。代引きが多く利用されている クレジットカードによるネット決済に関するユーザー意識。いつもクレジットカードを使う利用者も6割に達するが、クレジットカードの利用に不安を感じるユーザーも多い
ワンタイムデビットの特徴。必要な時にワンタイムのカード番号をすぐに発行できる ジャパンネット銀行の口座から即時引き落としのため、発行に審査も必要なく、残高を超えての利用はできないので使いすぎの心配もない

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(工藤 ひろえ)

2010/2/24 15:59