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iTunes不当請求問題で消費者庁が追加質問状、返金条件など不明瞭


 「iTunes Store」で利用者が身に覚えのない代金を課金されたトラブルをめぐり、iTunes株式会社に被害状況や今後の対策を照会する文書を送付していた消費者庁は4日、「さらに詳細な情報が必要」として追加の質問状を送った。利用者が不当請求を訴えた際に、iTunesが返金に応じる条件などが不明瞭だったためだ。

 消費者庁が2月17日付で送付した文書では、不正使用の被害状況や原因究明の方針、利用者のID・パスワードやクレジットカード情報を保護するための取り組みについて尋ねていた。また、不当請求を報告した利用者に対するサポート、料金の請求を中止する措置が講じられる余地はあるか、ということなどを質問していた。

 消費者庁によれば、2009年4月以降、同庁が設置する「消費者情報ダイヤル」および「PIO-NET」に寄せられた音楽情報サイトに関する情報のうち、心当たりのない利用代金の請求に係るものは43件。同様の事例は2009年秋頃より増加し、2010年1月に入っても相談が寄せられているという。

iTunesは不当請求急増を認識せず、カード情報は「業界最高水準」技術で保護

消費者庁がiTunesに送付した追加質問状

 iTunesは3月2日付で消費者庁に回答。被害状況に関しては、「日本において請求の問題が異常に増加しているとの認識は有していない」とした上で、継続して調査を行っているとした。また、利用者から寄せられている懸念については、「プライバシーの問題等」のため、コメントを差し控えるとした。

 原因については、1)クレジットカード詐欺、2)メールアドレスの漏えい、3)フィッシング詐欺などによるアカウント情報の誤入力――のいずれかが考えられると指摘。これらの原因は「iTunesに特有の問題ではない」としたが、「お客様がご心配なさっている状況にかんがみ」厳重な監視態勢を継続するとした。

 ID・パスワードやクレジットカード情報を保護する取り組みに関しては、「世界的に見て業界最高水準」の技術を導入済みとした上で、常に個人情報の慎重な取り扱いやセキュリティの重要性を注意喚起する「カスタマーコミュニケーションを精査している」と回答した。

 さらに、iTunesは2009年12月以降、漏えいしたアカウントの不正使用を防止するために、利用者のパスワードが変更された場合には、購入前にクレジットカード番号を再度入力させる仕組みを導入しているとともに、アカウントの不正使用を検出する新システムをまもなく導入する予定とした。

 不当請求を訴えた利用者への対応としては、iTunes側が審査した上で不当請求と確認された場合には、利用者に対して、銀行またはクレジットカード会社へ通知し、課金に異議を述べられるように伝えていると回答。不正使用が強く疑われる際には、当該アカウントを無効としているほか、利用者が報告した不当請求については、クレジットカード会社への返金に応じているとした。

 このほか、iTunes Storeにメールで寄せられた質問への回答時間については、質問の95%は48時間以内、質問の25%は4時間以内に返答するなど、「顧客満足度は世界最高水準」だと回答。電話相談窓口を設ける予定があるのかという質問には、「メールによるカスタマーサポートが最も効果的かつ効率的な方法」として、従来通り、メールのみで相談を受け付ける考えを示した。

消費者庁、不当請求の認定条件が不明瞭と指摘

 iTunes側の回答を受けた消費者庁では4日、「消費者が安心して安全に音楽情報サイトを利用することができる環境を整えるため、いくつかの点についてさらに詳細な情報が必要であると思われる」として、追加の質問状を送付した。

 具体的には、iTunesが不当請求の急増を認識していないとする根拠、利用者から寄せられた懸念事項の具体的な内容、不正使用の原因としてiTunesが挙げた3つの要因の根拠、同一のメールアカウントで複数の異なるパスワードを入力する行為への防御策、iTunesが不当請求と認定する条件、不当請求に対してクレジットカード会社に返金しない場合の条件などについて質問している。


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(増田 覚)

2010/3/5 15:49