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改正著作権法ガイドライン、壇弁護士らがネット事業者向けに作成


北尻総合法律事務所の壇俊光弁護士

 次世代検索技術の研究開発を目的として経済産業省が進める「情報大航海プロジェクト」の取り組みを発表するシンポジウムが8日、東京大学で開催された。Winny弁護団事務局長としても知られる北尻総合法律事務所の壇俊光弁護士が、1月に施行された著作権法改正のポイントをまとめたガイドラインについて説明した。

 同ガイドラインは情報大航海プロジェクトの一環として、壇氏らが参加する「改正著作権法ガイドライン検討タスクフォース」などが作成。改正著作権法のうち、特にインターネット関連サービスに関係が深い条文を解説している。壇氏によれば、「日ごろ著作権法になじみのない担当者でも理解しやすい記載となるように工夫した」という。

 改正著作権法では、ストリーミング配信におけるキャッシュや、検索エンジンが行うコンテンツの複製などについて、必要と認められる限度においては、権利者の許諾を必要としないことが明文化されるなど、インターネット関連サービスを展開しやすくする条文が追加されている。

 同ガイドラインでは、1)情報検索サービスを実施するための複製等の可能化、2)情報解析のための複製等の可能化、3)送信の障害防止や効率化等のための複製の可能化、4)PCにおける著作物利用に伴う複製の可能化、5)美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製の可能化、6)権利者不明の場合の利用の円滑化を図るための仕組み――の6項目を解説。

 著作権法に詳しくない企業の担当者でも理解できるような工夫としては、これらの項目に関する条文を単に紹介するだけにとどまらず、条文の解釈や法律用語の説明も掲載。さらに、条文のポイントやビジネス実施上の留意点をまとめた「論点」を盛り込むなど、できるだけ具体的なサービス場面を想定した記述にしたという。

 例えば1)に関しては、著作権法改正により、事前にクローラーを用いて自動的にインターネット上のWebページを自らのサーバーに収集・蓄積(複製)し、それをキーワード等ごとに整理しておき(複製または翻案)、利用者からの検索のリクエストがなされると、自らのサーバーに蓄積されたデータの中からそのキーワードに関連するWebサイトのURLとそのWebサイト内の説明文や画像等の情報の一部を検索結果として表示(自動公衆送信)することが可能になると説明している。

 また、1)に関する論点としては、「事業者が、将来的に情報検索サービスを行うことを想定してあらかじめ情報をアーカイブしておくことは問題ないか」「検索結果として提示できる著作物の範囲はどこまでか」といった質問と、それらに対する回答も盛り込んでいる。同ガイドラインは、3月末までに経産省のサイトで公開される予定。


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(増田 覚)

2010/3/8 18:38