米財務省、イランやスーダン、キューバへネットサービス輸出解禁


 米財務省の海外資産管理局(OFAC)は8日、イラン、スーダン、キューバへの個人向け無料インターネット通信サービスの輸出を基本的に許可すると発表した。これまでは、イラン商取引規制、スーダン制裁規制、キューバ資産管理規則によって、これらの国々へのサービスの輸出が禁止されていた。

 規制緩和の理由について、米財務省のNeal Wolin次官補は「全世界市民の普遍的な権利について政権が深く注力していることと調和し、これら一般的なライセンスの発行は、イラン、スーダン、キューバの個人が、インターネットを使って他者と、また外部の世界とコミュニケーションを取ることをより容易にするだろう。今回の行動は、イラン人、スーダン人、キューバ市民が、最も基本的な権利を行使することを可能にする」とコメントしている。

 今回の規制緩和により、インスタントメッセージ、チャット、メール、ソーシャルネットワーキング、写真・動画共有サービス、Webブラウジング、ブログサービスの輸出が可能になる。

 ただし、輸出にはいくつかの制限がある。まず、有料サービスの輸出は認められておらず、個人が無料で加入できるサービスでなければならない。したがって、企業向けのWebホスティングサービスやドメイン名登録サービス、該当政府または政府関係機関・役人が使用するかもしれないサービスを提供することはできない。

 Wolin次官補は、TwitterやYouTubeを使ったイランでの抗議活動について触れ、「イランにおける最近の出来事が示しているように、メール、インスタントメッセージ、ソーシャルネットワーキングのような個人のインターネット通信サービスは強力なツールだ。これらのソフトウェアは、すべてのイラン人の基本的人権のために、自由な情報の流れを促進・支持している」と説明している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/3/9 11:44