USEN、UCOMの全保有株式を売却


 USENは7日、持分法適用関連会社であるUCOMの保有株式すべてについて、ユニゾン・キャピタルがアドバイザーを務める投資ファンドが出資する「UC Network, L.P.」および「UC Network (F), L.P.」(以下UC)などに譲渡することを取締役会で決議した。譲渡価額は50億5600万円。

 UCOMは、世界初の光ファイバーによるインターネット接続サービスのインフラ構築・運用を目的に、2000年7月にUSENなどの出資によって設立された通信事業者(当時の社名はユーズコミュニケーションズ)。大都市圏を中心に個人および法人向けにサービスを提供してきた。

 USENでは、2007年3月と8月にUCに対してUCOM株式の計38.2%を譲渡。2008年11月には、UCOM回線を利用した個人向けISP事業を展開する株式会社U`s ISPをUCOMに譲渡して、事業の再整理と効率化を進めていた。なお、2009年12月にはNTT東西のフレッツ回線を利用したISP事業を、ソネットエンタテインメント(So-net)に譲渡している。

 その上で、今回のUCOM全保有株式をUCに譲渡する点に関して、「当社およびUCOMにとって、有益であると判断した」と説明。譲渡によって、「UCOMはこれまで以上に独立性を高め、さらなる事業の発展が期待できる」としたほか、USEN自身も財務の改善と資金の拡充が見込めると説明している。

 株式譲渡期日は5月下旬を予定。ユニゾンでは、今回の譲渡によってUCOMの筆頭株主になる。UCOMの事業基盤の成長および企業価値の最大化を目指して、最大限の支援を行なう考えだ。一方、USENでは株式譲渡後もUCOMと事業パートナーとしての取引関係を維持し、法人向けサービス「USEN BROAD GATE02」などを引き続き提供する。

 なお、UCOMに関しては、イー・アクセスが2008年1月に一部株式を取得済み。イー・アクセスによれば、現時点においても株式を保有しているという。


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(村松 健至)

2010/4/8 13:31