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NECがコピー動画識別技術を開発。国際標準規格「MPEG-7」に採用


 NECは7日、インターネットなどで公開されている違法コピー動画を自動検出するための映像識別技術を開発したと発表した。オリジナル映像から生成される「ビデオシグネチャ」をもとに照合することで、違法動画であるかを瞬時に判別できるという。9月には国際標準規格「MPEG-7」の1つとして正式に規格化される予定。

 従来からある違法コピー動画の検出技法としては、人間の目視による確認のほか、あらかじめ映像内に特殊なコードを埋め込んでおく電子透かし技術、色配置による類似検索などが知られている。しかし、これらの方法は、効率性、短く切り出すなどの改変・編集が行われたコンテンツの発見といった面で課題があった。

 NECが今回発表した新技術では、オリジナル映像から生成する「ビデオシグネチャ」を活用。映像内の各コマにさまざまなサイズ・形状の領域を複数設定し、いずれかのペアの輝度の差分をシグネチャとして抽出するため、人間の指紋のように固有の管理ができる。これにより、テロップ追加、再エンコード、ディスプレイに表示された映像をカメラ撮影した映像(アナログキャプチャー)も判別できるという。コンテンツの権利者や配信事業者は、オリジナル映像をあらかじめ登録しておくことで、違法アップロードの事前ブロックも可能になる。

 また、各コマ内の輝度の差をもとに、シグネチャそのものの信頼性も調整。高い識別率と低い誤検知率を両立させた。国際標準化機関のテストではコピー動画の識別率は約96%、誤検知率は5ppm(100万分の5)。映像1コマあたりのシグネチャサイズは76バイトと小さいため、家庭用PC程度の処理能力でも、1秒間に1000時間分程度の照合が可能としている。

 この新技術は、4月19〜23日にドイツ行われた第92回ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11(通称MPEG)会議で、動画識別技術などをまとめた国際標準規格「MPEG-7 Video Signature Tools」の最終規格案として承認済み。ITTFによる加盟国投票を経て、9月頃には正式化される見込みだ。


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(森田 秀一)

2010/5/7 15:01