「Google TV」2010年秋に米国で発売、IntelやSonyなどが提携


「Google TV」の概要紹介動画

 米Googleは20日、サンフランシスコで開かれている開発者向けカンファレンス「Google I/O」において、Webコンテンツをテレビに持ち込むとともにテレビ自体の視聴体験も改良する「Google TV」プラットフォームを発表した。Intel、Sony、Logitech、BestBuy、DISH Network、Adobeが支持を表明している。

 「Google TV」はAndroidプラットフォームを基盤とし、Flash内蔵のGoogle Chromeブラウザーが動作する。有料テレビ番組の膨大な番組表、インターネット上のWeb動画、Androidアプリを横断的に検索したり、視聴することが可能だ。

SonyとLogitech、「Google TV」プラットフォーム端末を発売

 ハードウェアとしては、Intelが家電用に設計したシステムオンチップ「AtomプロセッサーCE4100」を使用。SonyとLogitechは、同プロセッサーと「Google TV」プラットフォームに基づいたハードウェア製品を提供する。


SonyのGoogle TVサイトLogitechのGoogle TVサイト

 Sonyは今年秋、「Google TV」プラットフォームを採用した世界初の「Sony Internet TV」を米国で発売する計画だ。この時点でSonyは、スタンドアローンのテレビモデルと、既存テレビに接続して利用するBlu-rayディスクドライブ内蔵のSTBモデルの2種類をラインナップする予定だ。

 GoogleはSonyと提携することによって、Sonyの製品開発力、製品品質、デザイン力、幅広い製品ライン、コンテンツポートフォリオのメリットを生かしたい考えだ。一方、SonyはGoogleがAndroidプラットフォームをオープンソースにしているメリットを生かし、開発プロセスを最適化したい考えだ。

 Logitechは、既存ハイビジョンテレビやホームエンターテインメントシステムに接続できるSTBを発売する。このSTBには、Logitechの「Harmony」リモコンテクノロジーを使用し、キーボードとリモコンを含むコントローラーが附属する。また、「Google TV」プラットフォームでビデオチャットを行うためのハイビジョン対応カメラを提供する。スマートフォンを「Google TV」やホームエンターテインメントシステムのリモコンとして使用できるようにするためのリモコン機能アプリを提供することも明らかにした。

 SonyやLogitechによる「Google TV」プラットフォーム端末は、米国家電大手のBest Buyが全米で今年後半から販売する。

 当初は、米国の有料テレビネットワークであるDISH Networkに最適化されて出荷される。ただし、プラットフォーム自体は全テレビ事業者に対応しており、将来的にはアップデートにより他の事業者にもサービスを拡大できる見込みだ。

「Google TV」プラットフォームもオープンソース化予定

 Webコンテンツとしては、DVDレンタル/ネットストリーミング大手の米NetFlixはじめ、Amazon Video Ondemand、YouTubeなどにも対応。Androidマーケットのアプリを「Google TV」で動作させることもできる。

 「Google TV」上のGoogle ChromeブラウザーにはAdobe Flash Player 10.1が統合される。その結果、Web上のゲーム、アニメ、アプリケーション、動画、オーディオなど、あらゆるFlashコンテンツをテレビで楽しむことが可能になる。

 Googleは近日中に「Google TV」プラットフォーム用Webアプリケーション開発APIを公開する。また、今年後半には、「Google TV」向けAndroidアプリを開発するためのアップデートがなされたAndroid SDKを公開。さらに「Google TV」プラットフォームもオープンソース化する予定であることも明らかにした。

 Googleは、あまりにも多くのテレビチャンネルが乱立しているため、テレビを見る時間よりも、見たい番組を探している時間の方が多くなる現状を指摘。効率の良い検索によりテレビやWebコンテンツを横断的に検索できるようにすることで、番組視聴時間を増やせると主張する。Googleは、DISH NetworkおよびGoogleユーザー400人と約1年にわたり実験を繰り返し、今日の発表に至ったとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/5/21 12:18