SIMロック解除は「事業者による主体的取り組み」で、総務省がガイドライン案


 総務省は、携帯電話のSIMロック解除に関するガイドライン(案)を発表し、その意見募集を開始した。意見募集は6月23日まで受け付ける。

 同省は4月、携帯電話事業者などからヒアリングを実施したことで、「事業者が自主的にSIMロック解除を実施するという方針」に一定のコンセンサスが得られたとして、「SIMロック解除に関するガイドライン」を策定する。今回のガイドライン(案)に対する意見募集結果を踏まえて検討し、「速やかにSIMロック解除に関するガイドラインを策定する」という。

 ガイドライン(案)では、SIMロック解除を強制するものではないとした上で、事業者がSIMロック解除について「利用者の立場に立った取り組みに努めるものとする」としている。2007年に策定された「モバイルビジネス活性化プラン」では、SIMロックを原則解除する方向でまとめられたが、その最終結論は2010年に出すとしていた。今回のガイドライン(案)では、課題が存在するため当分の間、法制化の検討は留保し、「事業者による主体的な取り組み」とされた。

 対象となる端末は、2011年度以降に新たに発売される端末のうち、対応可能なものからSIMロック解除が実施される。事業者はSIMロック解除に対応する端末やWebサイト、パンフレットなどで事前に情報を提供するとともに、解除料を徴収する場合はその金額や条件を明示する。なお、事業者は、技術基準に適合しない場合などを除いて、ユーザーからの接続請求に応じる必要があるとされた。

 ガイドライン(案)では、事業者側が「主体的」に取り組む内容が総務省によってまとめられている。

 事業者は、ユーザーが購入する端末がSIMロック解除対応端末か否か、SIMロック解除の条件、解除手続き方法などに説明する。また、他社のSIMカードを利用した場合に、通信サービスやアプリケーション利用の全部、または一部が制限される可能性があることも説明する。

 さらに事業者は、回線契約を行う際、自社のSIMカードが差し込まれた際に通信サービスやアプリケーション等の利用の全て、もしくは一部が制限される可能性があることを、契約締結時に十分に説明するこことが盛り込まれている。

 通信の不具合や端末の故障については、事業者側がサポート体制を整備し、端末を販売した事業者との間で取り次ぎ方法などについて協議する。なお、故障は端末を販売した事業者について対応にあたるとしている。

 このほか、盗難などの不正な手段で入手された端末に対応するため、必要に応じて事業者事業者間で連携措置を講じることが適当とされた。


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(津田 啓夢)

2010/5/26 17:22