BIGLOBE、「andronavi」の本格展開でアプリを拡充へ


 NECビッグローブ(BIGLOBE)は、Androidアプリの紹介や配信を行う「andronavi」を正式にオープンし、本格展開を開始する。アプリの拡充、使い勝手の向上、グローバル展開の3つが主軸に据えられており、andronaviで配信するアプリは9月末までに250本を追加、計650本とするほか、検索や課金など使い勝手の拡充、英語版の開始などグローバル展開も開始される。

 andronaviは、2010年1月より提供が開始されたAndroidに関する情報やアプリの配信を行うサイト。Androidマーケットでは配信されない独自アプリや、有料アプリの配信、BIGLOBEが手掛けるオリジナルアプリを用意。既存のAndroidマーケットのアプリに関してもレビューを掲載している。

 今回の正式オープンにより、さまざまなジャンルの企業をパートナーとすることが明らかにされた。雑誌アプリ「MAGASTORE」やナビゲーションアプリ「NAVITIME」、ゲームの「バズルボブル」や「PAC-MAN」、キャラクターのウィジェット、英語学習アプリなど、幅広いアプリが順次追加される見込みで、2010年度中に4000本のアプリラインナップを目指すとしている。

 andronaviの対象となる端末は国内で販売されるAndroid搭載のスマートフォン。また、11月に発売予定というNEC製の「Life Touch」をベースにしたタブレット型端末を皮切りに、タブレット型端末もサポートしていく予定。加えて、後述するグローバル展開により海外では現地で販売されているAndroid端末もサポートしていく。

 使い勝手の面では、アプリ検索ジャンルを拡張し、6個のメインカテゴリーに加えて24個のサブカテゴリーを用意。機種やOSごとに使用可能なアプリを絞り込むことも可能になっている。アプリやコンテンツの違法コピー防止を目的に、andronaviから正しくダウンロードされたアプリを認証するアクティベーションの仕組みが取り入れられるほか、2011年にはアプリ内課金、期間限定利用課金、1日体験版、レンタルビデオサービスなど課金・利用環境を拡充していく。パソコンからダウンロードしたアプリの管理が行えるような、連携の仕組みも強化される。

 開発者は簡単な契約を行うことでandronaviにてアプリを配信でき、売上の一部をNECビッグローブが得る仕組み。今後は、個人のアプリ開発者も参加できるようになる。また、グローバル展開のための翻訳対応や海外向けの決済基盤の強化、レビューやTwitterを活用したプロモーションなど、開発者をサポートする体制も構築される。

 グローバル展開では、正式オープンとなった24日に英語版の提供を開始しており、今後は中国語版、フランス語版なども提供する予定。また、12月には米国内で現地のパートナー企業を通じてアプリの提供を開始する予定で、有料アプリやコミックなどの電子書籍、人気ゲーム、オリジナルアプリの海外展開を行う。

Androidは「まだまだこれから伸びる」

NECビッグローブ 代表取締役執行役員社長の飯塚久夫氏

 24日には都内で記者向けの説明会が開催された。挨拶に登壇したNECビッグローブ 代表取締役執行役員社長の飯塚久夫氏は、「クラウド関連の動きは我々に非常に大きな影響を与えつつある。クラウドデバイスはKindleやiPhoneなどさまざまなものが登場しているが、びっくりしているのは、ISPに申し込まなくてもインターネットが使えるということ。我々にとって大きな変革が始まっている象徴だ」と、ISPをめぐる環境の変化をクラウドデバイスの普及という側面から語る。同氏はさらに、「ISPとして生き残りを賭けた、変革への取り組みだ」とAndroid事業を語り、スマートフォンやAndroidへの取り組みをNECビッグローブの主要な事業に育てていく方針を示した。

 飯塚氏はまた、書店の店頭に並ぶ本の数に注目し、iPhone関連の本の発行が充実している状況を紹介。一方、Android関連の本が増加傾向にあるとして、「まだまだこれから伸びるAndroidに着目した。問題点があるのも事実だが、ビジネスチャンスでもある。BIGLOBEとして、Android市場を牽引し、世界に向けて発信していきたい」と意気込みを語った。

 会場ではこのほか、大日本印刷、電通、タイトー、日本Androidの会、Evernoteからのビデオメッセージも流され、パートナ企業が充実している様子がアピールされた。

キラーアプリを有するメジャーパートナーと提携

NECビッグローブ 取締役執行役員常務の古関義幸氏

 NECビッグローブ 取締役執行役員常務の古関義幸氏からは具体的な展開が語られた。古関氏は、パートナー企業が大幅に拡充されることで、andronaviでさまざまな有名タイトル・アプリが順次配信されることを紹介。電子書籍、ゲーム、エンタメ系、ツールなど幅広いラインナップから一例を紹介した。また、アプリコンテストに参画してサポートしてくほか、検索機能や課金・開発基盤の強化、グローバル展開を紹介した。

 今後は、11月発売予定のタブレット型端末向けアプリなどを含めて、アプリ・コンテンツ数を2012年度末までに15万本とし、取扱高を100億円、有料アプリ利用者数を250万人とする目標も示された。古関氏によれば、取扱高100億円は「保守的な数字」とのことで、数百億円の規模を目標にし、同社の主力事業のひとつにしたい構え。また、有料アプリ利用者数の目標である250万人の比率は、国内20%、海外80%とし、市場規模の大きな海外市場で積極的に展開していく方針も示している。


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(太田 亮三)

2010/8/24 18:16