OKWave、Facebookアプリで世界規模のQ&Aサービス「ARIGATO」展開


 株式会社オウケイウェイヴ(OKWave)は、Facebookアプリ「ARIGATO」のベータ版を10月25日に公開すると発表した。13言語に対応、100カ国を対象とした国際Q&Aサービスを、世界最大のSNSであるFacebook上で展開する。利用は無料。

 ARIGATOでは、Facebookアカウントと連携した会員登録をすることで、質問や回答、コメントの投稿などを行える。国際Q&Aサービスの特徴として、投稿された質問や回答に対してコメントを付けられるだけなく、それらを各言語に翻訳して投稿できる機能がある。Q&Aでユーザー同士で知識や情報を共有するように、翻訳も機械的な機能として用意するのではなく、ユーザー同士で助け合って行うようにしたわけだ。

「ARIGATO」ベータ版「C」アイコンがコメント、「T」アイコンが翻訳を表す

 よい質問や回答、翻訳、コメントに対しては、ユーザーが「ARIGATO」を贈ることが可能。その数によって、感謝されている度合いが指標化されるようになっている。

 ユーザーは、自分がわかる言語を設定しておけるほか、投稿されている質問や回答を言語を絞ってソートしたり、関心があるトピックのみをソートする「マイトピック」の機能もある。

 現在、対応している言語は、日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語、フランス語、トルコ語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、インドネシア語、ルーマニア語の13言語。2012年までに20言語、サービス対象国も200カ国に拡大する予定だ。

 なお、メニュー表示などのユーザインターフェイス部分は、日本語、英語、スペイン語の3言語のみとなっているが、2010年内に10言語以上に対応する予定。

「ありがとう」という言葉を世界にはやらせたい

 OKWaveの兼元謙任代表取締役社長は、世界を対象としたQ&Aサービスについて「創業当時から、ずっとやりたかったサービスだった」と表現。現在、インターネットのQ&Aサービスじたいが広く認知されるようになり、また、世界で5億人のユーザーをかかえるFacebookを活用することで、それが実現できたと説明する。

 なお、ARIGATOは当初、日本で提供している既存のQ&Aサービス「OKWave」とは独立したサービスとしてFacebook上で運営するが、いずれはOKWaveの会員にも参加してもらい、日本のQ&A文化のいいところを世界に広めていきたいとしている。

オウケイウェイヴの兼元謙任代表取締役社長事業戦略本部のドラーチャ・ロバート氏

 ARIGATOを手がけたOKWave事業戦略本部のドラーチャ・ロバート氏は、ルーマニア出身で、カナダや米国で暮らした経験もある。日本語を学ぶ中で日本文化のよさにひかれるようになり、兼元社長の著書「グーグルを超える日 オーケイウェブの挑戦」を読んだのがきっかけでOKWaveに入社したという。

 ロバート氏は、「感謝の気持ちを表現する言葉は世界中どこに行ってもある、国境を越えた概念。世界をターゲットにしたサービスにふさわしい」として、「ありがとう」という概念で世界の人と人をつなぐ新規事業を展開することにしたと説明する。同社では当初、「OKWave on Facebook」という名称を考えていたが、「日本発のサービスなのに、名称がOKWaveとは何事か!」というロバート氏の指摘もあり、日本語由来の「ARIGATO」になった。

 ロバート氏は、「日本文化にはポテンシャルがある。『もったいない』『かわいい』といった言葉がはやったように、『ありがとう』という言葉も世界ではやらせたい」と述べ、日本発のウェブサービスを世界に発信していくとアピールした。


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(永沢 茂)

2010/10/20 16:33