クリプトン、VOCALOID音楽クリエイター向けに音楽出版事業を開始
VOCALOID合成音声ソフト「初音ミク」などの開発・販売を行うクリプトン・フューチャー・メディア株式会社は29日、VOCALOID音楽のクリエイターがカラオケなどの楽曲利用から生じる著作権使用料を受け取れるようにするための音楽配信事業を開始すると発表した。
クリプトンでは、カラオケなどでVOCALOID音楽が商用利用される機会が増えているが、JASRACなどの著作権管理事業者に楽曲の著作権管理を委託していないため、著作権使用料を受け取れないクリエイターが数多く存在していると説明。著作権管理事業者に管理を委託した場合、クリエイター自身も楽曲の利用が妨げられることがあることが、クリエイターが委託を回避する理由となっているという。
クリプトンでは、7月にVOCALOID音楽クリエイターを対象としたアンケートを実施。回答のあった123人のうち、54%にあたる66人から「自らが自由に楽曲を利用できるかたちで、カラオケなどの楽曲の商用利用によって発生する著作権使用料を得られるようにしたい」という回答を得たとして、こうした要望に応えるための音楽出版事業を開始するとしている。
クリプトンの音楽出版事業では、クリエイターが自らの楽曲について、非商用の利用であれば手続きなしに楽曲を利用でき、また第三者に対して楽曲の利用を許諾することができると説明。VOCALOID音楽に関わるすべてのクリエイターが非商用目的であれば自由に楽曲を利用できるようにしたままで、商用利用から得られる著作権利用料をクリエイターに分配するとしており、著作権管理を希望のクリエイターや、連絡・質問についてはメール(piapro@crypton.co.jp)で受け付けるとしている。
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(三柳 英樹)
2010/11/30 06:00
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