フリービット子会社のエグゼモード、中国「aigo」製品の日本独占販売権を取得


フリービットの石田宏樹氏。手に持っているのは今後投入予定のタブレット端末「aigo Pad」

 フリービット株式会社は20日、100%子会社のエグゼモード株式会社が中国のデジタル機器メーカー「愛国者(aigo)」の日本国内での独占販売権の契約を締結し、aigo製品のマーケティングおよび販売の本格展開を開始したと発表した。

 フリービットとaigoでは、中国国内でユビキタス家電事業を展開する合弁会社「Smart Cloud」を2010年5月に設立している。今回の提携により、エグゼモードは日本市場におけるaigo製品の企画と販売を担当する会社に組織変更し、フリービットとエグゼモードがaigo製品を日本市場向けに最適化して販売していく。

 エグゼモードでは今後、日本市場におけるaigo製品について、ネットワークと関連する製品群となる「aigo SiLK」シリーズと、ネットワークとは関連しない製品群「aigo Legacy」シリーズの、2つのシリーズによる商品展開を行っていく。

 aigo SiLKシリーズは、デジタルデータの「入力」「保存」「表示」に焦点を絞ったプロダクトとして、プロジェクター製品やストレージ製品、クラウドプレーヤー製品(ネットワーク対応の音楽プレーヤー)などを展開する。シリーズの各製品は、ServersManとの連携に対応する点や、小型である点が特徴となる。

手のひらサイズのプロジェクター「PT6212」厚さ3mmのストレージ「UA-P959」
プロジェクター内蔵のデジタルビデオカメラ「AHD-X8」クラウドプレーヤー「E811」

 もう1つのaigo Legacyシリーズは、デジタルカメラやボイスレコーダーなど、aigoが得意とする領域の製品シリーズで、特にネットワークとは関連しないPC周辺機器などの製品群として展開する。

 20日に行われたフリービットの事業戦略説明会では、代表取締役社長兼CEOの石田宏樹氏が、今回の提携の概要と製品ラインナップを紹介した。

 aigo SiLKシリーズの製品としては、手のひらに乗る超小型サイズのプロジェクター製品「PT6212」(4万9800円)や、厚さ3mmのUSB接続ストレージ製品「UA-P959」(1万5800円)、インターネットテレビやインターネットラジオにも対応するクラウドプレーヤー製品「E811」(予価1万4000円~1万9000円)などを紹介。各製品はPC経由でServersManとの連携が可能だが、今後は機器自体が直接ServersManと連携する製品を展開していくとした。

 今後予定している製品としては、タブレット端末の「aigo Pad」を紹介。Android OSを採用するタブレット端末で、W-CDMAにも対応しているため、フリービットのMVNOによるデータ通信サービス「DTIハイブリッドモバイルプラン」などと組み合わせた形で、モバイルルーターとしても利用できる形での提供を想定しているとした。

 石田氏は、フリービットでは2001年からソニーと共同でデジタル家電のネットワーク化に挑戦し、「コクーン」などの製品にフリービットの技術が採用されたが、一方で家電をネットワーク化することの困難についても学んだと説明。インターネット側からの到達性の確保や、膨大な個体数への対応、新しいセキュリティの確保といった課題の解決にはIPv6が不可欠だと実感したと語った。

 フリービットではIPv6の大規模実証実験「Feel6」などに取り組むとともに、家電への取り組みとしては2009年2月にエグゼモードと業務資本提携を締結。エグゼモードとユビキタス家電のプロトタイプ開発を行ってきたが、より高度な製品を作るためには多くの時間と研究開発の仕組みが必要であることから、中国トップ企業のaigoとの提携に至ったと説明。aigoとフリービットの技術の融合により、絹(SiLK)のようになめらかなネットワーク時代の新しいライフスタイルを提案していくと語った。


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(三柳 英樹)

2011/4/21 19:33