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ソフトバンク、700/900MHz帯の新規割り当て「次は我々の番」とアピール


 ソフトバンク株式会社は9日、2010年度(2010年4月〜2011年3月)の連結決算を発表した。売上高は3兆46億円(前年度比8.7%増)、営業利益は6291億円(同35.1%増)、経常利益は5204億円(同52.6%増)、当期純利益は1897億円(同96.2%増)。売上高が初めて3兆円を超え、2年連続の増収増益となった。

 売上高の内訳は、移動体通信事業が1兆9445億円(前年度比14.3%増)、ブロードバンド・インフラ事業が1900億円(同6.0%減)、固定通信事業が3565億円(同2.3%増)、インターネット・カルチャー事業が2836億円(同4.7%増)。携帯電話契約数が353万件増加するとともに、iPhoneの契約者増などによりARPU(1契約あたりの平均収入)も1月あたり140円増加したことなどから、移動体通信事業の売上高が増加。一方で、ADSLの契約数減少により、ブロードバンド・インフラ事業の減収傾向が続いている。

 ソフトバンクの孫正義代表取締役社長は、NTTドコモやKDDIが減収となる一方でソフトバンクは増収となり、営業利益も大幅に伸ばしたと説明。2009年〜2011年度の3年間で連結フリーキャッシュフローを1兆円にするとしていたが、2010年度までの2年間でフリーキャッシュフローは既に9522億円となり、5年後に有利子負債をゼロにするという計画も予定を上回るペースで進んでいるとアピールした。

 孫社長は、「携帯電話事業参入からの5年間で、利益は5倍、基地局は6倍、契約数は7割増」と、携帯電話事業参入以降の成果を強調。買収時には「基地局は2万局あれば十分になる」と説明されていたことを明かし、実際には十分ではなかったため、5年間で基地局は2.1万局から12.2万局にまで増やしたと説明。設備投資については、1契約あたりの設備投資額はNTTドコモやKDDIを上回っているとしながらも、「これに満足しているわけではない。少なくとも現状のNTTドコモとauと同等につながるようになるまでは、なんとしてでもやる」と語り、今後2年間でさらに総額1兆円規模の設備投資を行うとした。

 設備投資を行う理由としては、700/900MHz帯の周波数割り当て議論が進んでおり、1兆円は新規の700/900MHz帯がソフトバンクモバイルに割り当てられることを前提とした金額だと説明。「800MHz帯は電波を届かせるのに有利だが、我々は持ってない。次は我々の番だと確信している。これが取れなければ絶対間違っている」と語り、新規周波数帯の獲得に強い意欲を示した。

 震災への対応では、携帯電話基地局の復旧はほぼ完了したとして、復興支援ポータルの開設や、Ustreamを通じた震災関連番組の配信などの取り組みを紹介。また、データセンターには4月だけで昨年1年分の引き合いがあるなど、データセンター需要が急増していると説明。韓国KTとの間でデータセンター事業で提携し、日本企業の事業継続をバックアップする取り組みなどを進めていることを紹介した。

 今後の取り組みについては、「モバイルインターネットNo.1」「アジアインターネットNo.1」を目指すという目標に向け、モバイルではiPhone 4のホワイトモデルやiPad 2を日本市場に投入したことを紹介。アジア市場に向けては、ソフトバンクが筆頭株主となっている中国のSNS「人人(Renren)網」が5月4日にNY証券取引所に上場したことや、「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイとの合弁会社により中国でファッションECサイトを展開することなどを紹介し、成長が見込まれるアジアでの展開をさらに進めていくとした。


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(三柳 英樹)

2011/5/10 06:00