KDDI研究所、機器が自律的にネットワークの「すきま」を探す通信技術を開発


 株式会社KDDI研究所は24日、機器間で情報をやりとりするM2M(Machine to Machine)通信向けのデータ転送技術「すきま通信」を開発したと発表した。

 KDDI研究所では「すきま通信」を開発した背景として、通信モジュールが組み込まれた様々な機器間でのM2M通信が急速に普及していると説明。一方で、通信モジュールが一斉に通信を行うことによるネットワークやサーバーへのアクセス集中が発生する可能性があることから、過負荷状態に対するサーバー保護や不要な設備増強を避ける技術が求められているとしている。

 今回開発した「すきま通信」は、通信モジュールが自らネットワークやサーバーの利用状況を学習し、設備が比較的空いている「すきま」時間を見つけ出し、通信を行う技術。M2M通信ではデータを必ずしもすぐに送信する必要のない状況が考えられることから、こうしたデータについてはネットワークやサーバーの負荷が平準化されるように、日単位や週単位、月単位での負荷の周期的な変動を想定し、許容可能な範囲で転送のタイミングを調整する。

 KDDI研究所では、今後も通信モジュールの組み込み対象となる機器は増加することが考えられ、通信モジュールが自律的に設備の利用状況を学習して「すきま」時間を活用することで、複雑な設計や運用を必要としないM2M通信サービスの効率的な提供が可能になると説明。技術については、5月25日から東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン2011」のKDDIブースで展示を行う。

「すきま通信」の動作イメージ

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(三柳 英樹)

2011/5/25 06:00