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若者の特性をアニメキャラが解説する動画、電通総研が研究レポートとして公開


 電通総研若者問題研究所が、現代の高校生の価値観や友達との付き合い方、インターネットにおけるコミュニケーションのルールなどについてまとめた、風変わりな研究レポートを発表した。

 レポートのベースになっているのは、全国の高校生600人(男女各300人)を対象に2010年9月に実施したアンケート調査。その結果から、PCでの動画共有サイト利用率が85%であること、男子宛のメールで絵文字を使う男子が76%いること、カラオケでアニメソングを歌う女子が49%いること――などが報告されているが、このレポートが特徴的なのは、こうしたデータや分析結果をグラフや文章で説明するのではなく、オリジナルのアニメキャラが解説する動画として制作してしまったことだ。タイトルは「シナがわの時代〜みんなとシナジー〜」(全4話)。

 キャラクターデザインは漫画家のPEACH-PITで、声優には石田彰と戸松遥を起用。背景デザインは、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」などを手がけた株式会社美峰が担当したという。


 “シナがわ”とは、「仲間同士が互いに個性を容認しあい“シナジーする”ことで、場が盛り上がる“側(がわ)”に付こうとする、若者のコミュニケーション特性を指す造語」。電通総研若者問題研究所では、「現代の“空気を読む”は、“すでにできあがっている空気に同調すること(=シンクロ)”よりも、“みんながノリあえる空気が、みんなの参加によって生み出されること(=シナジー)”を重視している」と指摘し、「この“シナがわ”を意識した、相手を立ててその場を盛り上げようとする姿勢は、実生活だけでなく、インターネット上のコミュニケーションでの暗黙のルールにもなっている」と説明する。

 シナがわの時代では、3つのキャラを持つ女子高校生・持森萌(もてもりもえ)と、周囲の期待に応えようとする男子高校生・池絡王子(いけからおうじ)が、高校生の目線と語り口で若者のコミュニケーション特性を解説する。

 各話とも、10分ほどの本編Flash動画と、関連する調査データを2頭身キャラが説明するPDFで構成される。6月9日には、“シナがわ”意識がはぐくまれる世代的背景を描いた第1話を、電通総研若者問題研究所のウェブサイトで公開した。

 第2話では女子高校生における学校友達との付き合い方、第3話では周囲の目を気にする男子高校生と恋愛意識を解説。第4話ではインターネットのコミュニケーション実態を取り上げ、インターネットを通じたコミュニケーションで進化した新しい文体として、絵文字や顔文字などの感情情報を入れることで思いを伝えやすくするという“感情体”についても言及している。第2話以降は順次公開予定だ。

 電通総研若者問題研究所は今後、別のテーマについてもアニメ形式の若者研究レポートを制作してきたい考え。


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(永沢 茂)

2011/6/10 06:00