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フリーミアムで「完全無料」と誤認させたら不当表示、消費者庁が指針提示


 消費者庁は28日、「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を公表した。「フリーミアム」「フラッシュマーケティング」「口コミサイト」といったサービス類型について、景品表示法上で問題となる事例を挙げるとともに、事業者に対して守るべきガイドラインを示している。

 例えばフリーミアムについては、このビジネスモデルを採用する事業者が、無料で利用できるサービスであることをことさらに強調する表示を行うことで、実際には付加サービスが有料であるにもかかわらず、付加サービスを含めて無料で利用できるとの誤認を消費者に与える場合には、景品表示法上の不当表示として問題になるとしている。

 具体的には、ゲームサービスにおいて、実際はアイテムを購入しないと一定レベルから先に進めないにもかかわらず、「完全無料でゲーム可能」と表示することが該当する。また、動画視聴サービスにおいて、実際はあらゆる時間帯に視聴するには月額使用料が必要であるにもかかわらず、「完全無料で動画見放題」と表示することや、オンラインストレージサービスにおいて、実際は無料で保存できるデータ量やデータの種類が限られているにもかかわらず、「無料ですべてのデータを保存して、どこからでもアクセスできます」と表示する事例も挙げている。

 これらの問題点を受けて消費者庁では、事業者に対し、フリーミアムのビジネスモデルを採用する場合は、無料で利用できるサービスの具体的内容・範囲を正確かつ明確に表示することを求めている。

フリーミアムのビジネスモデル(消費者庁の発表資料より)

 このほか、フラッシュマーケティングについては、クーポンのグループ購入サイトにおいて通常価格と割引価格の二重価格表示が行われている場合などについて言及。実際には販売実績のない通常価格を表示している場合、割引価格が著しく有利であるとの誤認を消費者に与えてしまうため、景品表示法上の不当表示として問題になるとしている。

 また、口コミサイトについては、グルメサイトやブログサイトなどにおける、いわゆる“サクラ”による投稿について言及。事業者が自ら口コミ情報を掲載あるいは第三者に依頼して掲載させ、それが実際の商品・サービスよりも著しく優良であると消費者に誤認されるようなものである場合は、景品表示法上の不当表示として問題になるとしている。

口コミサイトのビジネスモデル(消費者庁の発表資料より)

 インターネット消費者取引と景品表示法との関係で事業者が守るべき事項としては、すでに公正取引委員会が「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」としてガイドラインを提示している。しかし、同ガイドラインが示されてから7年以上が経過。インターネット消費者取引において新たなサービス類型が出てきたことから、消費者庁が今回、それら新たなサービス類型についての事業者向けガイドラインを提示することになった。前述のフリーミアム、口コミサイト、フラッシュマーケティングのほか、「アフィリエイトプログラム」「ドロップシッピング」という5つの類型を取り上げている。

 消費者庁では、「今後も引き続き、インターネット消費者取引において景品表示法上問題となる表示が行われた場合には、厳正かつ迅速に対処する」としている。 なお、具体的な表示が景品表示法に違反するかどうかは、個々の事案ごとに判断されるという。


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(永沢 茂)

2011/10/31 06:00