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グーグル、東日本大震災の被災地をストリートビューで公開


 グーグル株式会社は12月13日、東日本大震災ストリートビュー デジタルアーカイブプロジェクトで撮影した震災後のパノラマ写真をストリートビューで公開した。同時に、「未来へのキオク」サイトでは震災前と震災後の写真を比較できる形で公開した。災害前と災害後を比較できる形で公開するのはGoogleとしても、ワールドワイドでも初めての試みだという。

1枚の写真では伝えきれない被災地の記録をストリートビュー残す

グーグル株式会社製品開発本部長 徳生健太郎氏

 グーグル株式会社製品開発本部長 徳生健太郎氏は、「震災当初からわれわれも、テレビで現地の映像を見て、これは記録に残さなくてはならないのではないかと考えていた。4月初頭に実際に手と足で確認するために東北を回って幅広い方とお話してきたが、『しょっちゅう起こる被害ではない。記録がないと風化してしまう。みんなにわかる形で残したい』『この状況をなんとか記録に残せないか』という声を様々な立場の方からいただいた」とプロジェクト開始の経緯を述べた。

 ジャーナリストからは、「カメラのレンズで区切った1枚の画像ではこの状況を伝えられない」との声が多くあがり、気仙沼市長の菅原氏からは「記録を残すのがわれわれの使命である。また世界中からご支援をいただいたので、ここがみなさんに支援していただいた街ですということを世界に発信したい」との言葉があったという。

 徳生氏は、「ストリートビューは今日も撮影している。今後も撮影を続けていく」と述べ、今後も復興状況をみながら更新は継続。気仙沼・菅原市長の要望でもあり、復興していく姿をたどれるようにしたいとコメントした。また、既存のプロジェクト以外にもいろいろできることがある考えていると述べ、震災から9カ月が経過したが、今後も復興を支える試みを積極的に展開していく姿勢を改めて強調した。


マップでは地形図が合わせて確認可能に。「未来へのキオク」では被災前後を比較可能

 今回公開されたエリアは6県82市町村にわたり、うち青森県の3市町村、岩手県の20市町村、福島県の8市町村、茨城県のひたちなか市の計33市町村は今回新しく撮影・公開された地域となる。撮影は宮城県気仙沼市を皮切りに、青森県から三陸の沿岸地域を中心に行われ、半年間にわたる走行距離はおよそ4万4000kmに上った。

 機能面では、津波は川を上って河川の周辺地区に被害を及ぼしたため、メニュー切り替えで地形を見られるようにした。地形を確認して津波が押し寄せた川筋をたどってみるなど、地形と衛星写真による被害状況を合わせて確認することができる。

 また今回から、ストリートビュー画像の撮影時期が確認可能になった。ストリートビューの画面左下に、撮影した年月が表示される。

 被災地域のストリートビューについては今回すべて最新の画像に更新されるが、「被災前の街の姿を残してほしい」という要望が多数あったために、Googleのデジタルアーカイブプロジェクト「未来へのキオク」サイトで震災前と震災後をタブで切り替えて閲覧できるようにした。同じ場所が震災前と震災後でどう変わったかが、簡単に閲覧できる。

Googleマップには新たに「地形」メニューが追加された ストリートビューで連続的に、地形が被災状況にどう影響したか確認できる ストリートビュー画面左下に、撮影年月が表示されるようになった
「未来へのキオク」サイトのトップページに「ストリートビューでたどる」というメニューが追加された 震災前のストリートビュー 震災後。角の家は、ブロック塀だけが残った


今回ストリートビューが更新・新規公開されたエリア

被災地を走るストリートビュー撮影車

 今回ストリートビューが新規公開・更新されたのは、青森県は3市町村で八戸市、青森市、三戸郡階上町。岩手県は21市町村で、盛岡市、奥州市、大船渡市、北上市、釜石市、宮古市、陸前高田市、一関市、遠野市、花巻市、下閉伊郡(普代村、岩泉町、田野畑村、山田町)、岩手郡滝沢村、気仙郡住田町、九戸郡洋野町、紫波郡矢巾町、上閉伊郡大槌町、西磐井郡平泉町、胆沢郡金ケ崎町。青森県と岩手県については、岩手県一関市を除いてすべて新規公開となる。

 宮城県は32市町村で、仙台市、石巻市、大崎市、登米市、気仙沼市、名取市、東松島市、岩沼市、多賀城市、栗原市、塩竈市、角田市、白石市、丸森町、涌谷町、女川町、加美町、色麻町、七ヶ宿町、蔵王町、利府町、松島町、七ヶ浜町、大和町、富谷町、大衡村、大郷町、村田町、柴田町、大河原町、南三陸町、亘理町、山元町。

 福島県は12市町村で、いわき市、白河市、郡山市、福島市、相馬市、石川郡(古殿町、石川町、浅川町)、相馬郡新地町、東白川郡(鮫川村、棚倉町、塙町)。いわき市、郡山市、福島市、相馬郡新地町を除く8市町村は今回新規公開された。

 茨城県はひたちなか市が新規公開された。

 山形県も撮影がおこなわれ、13市町村(舟形町、村山市、上山市、天童市、南陽市、最上町、東根市、新庄市、小国町、米沢市、尾花沢市、高畠町、山形市)のデータが更新された。



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(工藤 ひろえ)

2011/12/13 12:53