電子書籍の縦書き表示「支持する」が半数、日常生活は横書き中心


 株式会社インプレスR&Dは5日、書籍の縦書き・横書きに関する意識調査の結果を公表した。調査は2011年12月6日から19日まで実施し、同社が発行する電子雑誌「OnDeck」の読者558人、およびNTTレゾナントが運営するgooリサーチのモニター1068人が回答した。日常生活は横書きでも、書籍は縦書きで読みたいという思いが明らかになったという。

 調査によれば、日常生活における文書の書き方では、OnDeck読者の95%が「主にパソコンで横書き」と回答し、「縦書き」と答えたのはわずか2%だった。gooリサーチの結果もほぼ横書き中心だったが、「主に紙の用紙で横書き」という人が21%と割合が高いのがOnDeck読者と大きく異なり、「文章はほとんど書かない」という人も14%いた。

 また、好きな作家の作品が横書きのみの書籍で販売される場合、「気にせず購入する」と答えた人の割合はOnDeckが37%、gooリサーチが46%と、約4割が縦書きと横書きをあまり意識していないという結果が出た。

好きな作家の作品が横書きのみの書籍で販売される場合、購入するかどうか

 このほか、出版社の電子書籍に対する縦書き表示への取り組みについては、OnDeck読者およびgooリサーチのどちらも53%が「支持する」と回答。自由回答欄ではOnDeckが「日常生活では横書き中心になっているが、書籍の縦書きは文化として守ってもらいたい。それを守れるのは出版社しかない」といった声が多かったという。

 一方、電子書籍に対する縦書き表示を「支持しない」という回答はOnDeck読者が27%、gooリサーチが7%と結果に大きな違いが出た。自由回答欄では、「縦書き表示にこだわるあまり、電子書籍が出ないのであれば支持したくない」という意見がOnDeck読者が多く寄せられたとしている。

 なお、出版物の縦書きは、日本以外では一部の国・地域で使われるのみで、国際的には少数派となる記述方式。電子書籍の国際的な標準フォーマットである「EPUB」においても縦書きはサポートされていなかったが、2011年10月に縦書き表示をサポートした「EPUB 3」が正式に発表され、注目を集めている。

出版社の電子書籍に対する縦書き表示対応について

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(増田 覚)

2012/1/6 13:07