トランスコスモス、ソーシャルメディア専門の運用支援センターを開設
トランスコスモス株式会社は14日、東京・渋谷の本社ビル内にソーシャルメディアの運用を支援する「渋谷ソーシャルメディアセンター」(以下、渋谷センター)を開設した。顧客企業向けに、TwitterやFacebook、mixiなどへの投稿、ユーザー投稿への回答・サポート、要望や苦情の監視、プロモーションなどを行う。
本社ビル内に開設した「渋谷ソーシャルメディアセンター」 |
トランスコスモスでは2011年5月に「ソーシャルメディア運用サポートサービス」を開始している。これまで、コールセンターやウェブサイト運用で培ったノウハウをもとに、ソーシャルメディアにおけるコミュニケーション設計や運用、監視、分析などのサービスを約50社に提供してきた。
中でも運用サービスは、顧客企業内に常駐するオンサイト形態や、トランスコスモスが受託したコールセンターなどの拠点内で提供するなど、引き合いが多かったという。そこで今回、広告企画や調査・分析などの付加価値サービスも含め、拠点ごとに分散するノウハウを渋谷センターに集約。ソーシャルメディア関連業務の統括機能を持つ拠点とした。
渋谷センターには、企業向けサポート業務を行うコールセンター部門のメンバーと、ウェブサイト戦略やキャンペーン設計などデジタルマーケティング部門のメンバーを確保。トランスコスモスの正社員が「ファシリテーター」として、あらゆる分野の顧客企業に替わって、ユーザーとのコミュニケーションを構築していく。
料金はソーシャルメディアの投稿代行や監視を行う「ソーシャルメディア運用」が月額15万円~、顧客の声を検索して自ら話しかける業務を含む「アクティブサポート」が月額60万円~、「キャンペーン構築・運用」が月額150万円から。2012年度に売上高10億円を目指す。
●デジタルマーケとコールセンターのノウハウで差別化図る
トランスコスモスで理事を務める植松芳宏氏 |
トランスコスモスで理事を務める植松芳宏氏は、コールセンターとデジタルマーケティングのノウハウを持っていることが、競合との圧倒的な差別化につながると強調する。「我々はコールセンター業務を通じてあらゆる業界に精通している。それに加えて、デジタルマーケティングの専門性を持っているのも強み」。
植松氏はさらに、企業がソーシャルメディアで成功するには「集客と交流の施策」が不可欠と語る。「ソーシャルメディアでファンが企業に投稿したコメントのうち、95%は放置されている現状がある。ファンを集めるだけではダメで、ファンの心の叫びに反応していくべき」。
サービスの中心となる人材は「ファシリテーター」だが、基本的なITスキルがあれば対応可能な「監視スタッフ」や、ツール利用によるルーティンワークが中心の「リスニングスタッフ」など、未経験者から段階的にキャリアアップする育成プランも用意。2012年度内にファシリテーターを25人以上に増やす計画だ。
これまで各拠点に分散していたノウハウを渋谷センターに集約したことで、ソーシャルメディア運用の問題点といわれる属人化を防げるという。「専任のファシリテーターを立てつつも、チームでの運用を実現することで、業務の属人化とケアレスミス、品質低下を防止する」。
現在は、10社の顧客企業向け業務を渋谷センターに集約してサービスを提供している。これらの運用で得た知見は将来的に、全国に22拠点あるコールセンターやオンサイトでの新規事業構築支援などに生かしていく。
さまざまな分野に精通した正社員の「ファシリテーター」がサービス運用を担当する。顧客企業から指名されるファシリテーターもいるという |
関連情報
(増田 覚)
2012/3/15 06:00
-ページの先頭へ-