東京国立博物館がAndroidアプリ、現在地に応じて展示ガイドを自動再生
来館者の位置情報に連動して東京国立博物館の展示室ガイドを行うAndroidアプリ「トーハクなび」が4月19日にリリースされる。Google Playから無料でダウンロードできる。利用期間は2013年3月31日まで。
東京国立博物館の総合文化展を観賞するために、「建物めぐり」「日本美術入門」「日本美術の流れ」「スペシャルコンテンツ」「法隆寺宝物館観賞」という5つのコースのガイドを収録。各コースの見所を動画で説明してくれる。来館者は滞在予定時間や興味にあわせてコースを選べる。
トーハクなびの概要 |
日本美術入門と日本美術の流れの2コースは、来館者の位置に応じて自動的に展示室のガイドが動画で再生される。位置情報の測定には、クウジット株式会社が開発した屋内位置測位技術「PlaceEngine」を使い、館内に設置した無線LANアクセスポイントからの電波に基づいて位置を推定している。
展示物の魅力を体感してもらうための仕掛けとして、展示物と連動したインタラクティブコンテンツを収録。例えば、展示ケースに入れられている鐘の前に立ってスマートフォンを振ると、その鐘の音がスマートフォンで聴ける。
来館者の回遊性を高めるために、スタンプラリー機能も用意。館内の指定された3カ所を巡回すると、来館者の位置に応じて自動的にデジタルスタンプを取得する。デジタルスタンプが3つ集まると、トーハクなびオリジナルの缶バッジがプレゼントされる。
展示物と連動したインタラクティブコンテンツ | 回遊性を高めるスタンプラリー機能 | 位置に連動した展示室案内が自動で再生される |
トーハクなびのプロジェクトは東京国立博物館の監修のもと、ユビキタス関連技術を活用した街作りに向けた実証実験に取り組む電通国際情報サービスとクウジットが協力している。
東京国立博物館などは2011年1月から4月まで、総合文化展の来館者に対して、アプリをインストールしたソニー・エリクソン製Androidスマートフォン「Xperia SO-01B」を無料で貸与し、期間中に累計2839人が利用したという。
その際に実施したアンケートによれば、利用者の40%が初めて総合文化展を訪問したと回答。来館者の平均年齢も通常よりも若かったことから、東京国立博物館の今井敦氏は「トーハクなびによって来館者のすそ野が広がった」と評価する。
また、総合文化展の課題としては「広すぎて何がどこにあるのかわからない」「何からどう見ればよいのかわからない」といった意見があり、来館者の多くは「コアなリピーター」だと今井氏は指摘。今回公開するアプリを通じて、総合文化展のビギナーもさらに来館してほしいという。
コース選択画面 | 日本美術入門コース決定画面 | 日本美術入門コースタイル画面 |
館内MAP(日本美術入門コース案内) | スタンプラリー画面 | スタンプラリーコンプリート画面 |
関連情報
(増田 覚)
2012/4/17 17:40
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