不正アクセス受けたベクター、セキュリティ対策費1億1000万円を特損に計上


 株式会社ベクターは17日、今年3月に発生した不正アクセス被害を受けて、情報セキュリティ対策費として1億1000万円を特別損失に引当計上すると発表した。あわせて、2012年3月期の通期業績予想も修正した。

 ベクターは、3月19日から3月21日にかけてサーバーへの不正アクセスを受けていたことを3月22日付で発表。同サーバーには、最大で26万1161件の個人情報が保存されており、一部にはクレジットカード情報も含まれていたという。

 ベクターによれば、個人情報の流出の事実などは現在も調査中だが、各種調査、再発防止、ユーザーの損失の補償および対応などに必要になると見込まれる1億1000万円を、情報セキュリティ対策費として計上することを決定したという。

 今回発表した2012年3月期の通期業績予想は、売上高が36億3500万円で、前回予想からほぼ予想通りに推移。また、広告宣伝費などの削減などにより、営業利益は1700万円増の5100万円、経常利益も1500万円増の5500万円に上方修正した。一方で当期純利益は、情報セキュリティ対策費を計上したこと、法人税などの合計が見込みより増加したことなどにより、前回予想の5600万円の赤字から、2億5500万円の赤字へと拡大する見込み。


関連情報


(永沢 茂)

2012/4/18 13:29