米ベンチャーのLilliputian、USB接続ポータブル燃料電池を数カ月中に発売か
消費者向けポータブル燃料電池を開発している米ベンチャーのLilliputian Systemsは8日、同社の燃料電池を販売・マーケティングすることで、米中堅小売事業者のBrookstoneと提携したことを発表した。製品が販売され、予告通りの性能を発揮すれば、スマートフォンユーザーなどにとって朗報となる可能性が出てきた。
製品の設計・開発・製造はLilliputian Systemsが行い、Brookstoneブランドで販売する。両社は「数カ月で正式な製品発表を行う」としている。
このポータブル費燃料電池はUSB接続で、「数週間分」の充電を行える。例えばスマートフォン、MP3プレーヤー、デジカメなど、複数の消費者向け電化製品を充電できる。なお、価格などの詳細は現時点で正式には発表されていないが、入手しやすい価格帯になるとの報道もある。
数週間分の電力をまかなうことができ、リサイクル可能なカートリッジを取り換えることで使用し続けられる。他の製品に比べて持続時間が長く、現行の予備バッテリーよりもはるかに低コストで持ち運びやすいという。また、USB接続できる機器ならば何でも充電できるため、旅行者が複数のアダプターを持ち歩く必要もなくなる。この製品はすでに商用航空機に搭載するための認可をICAOや米運輸当局から得ているため、飛行機への持ち込みも可能。
Lilliputian Systemsは、MITからスピンアウトしたベンチャーだ。ローレンスリバモア米国立研究所などから必要なライセンスを受け、「Silicon Power Cell」と呼ばれる燃料電池の開発を行っている。同社にはAtlas Venture、Kleiner Perkins、Stata Ventures、Altira Group LLCなど複数のベンチャーキャピタルが投資している。
一方、販売を行うBrookstoneは、全米に300の店舗とオンラインショップを構え、特にユニークな消費者向け家電製品の品ぞろえで知られている。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/5/10 09:57
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